最新記事

ウイルス感染

ギニア国境を越えたエボラ出血熱の恐怖

これまでは僻地で発生し、隣りの村に感染する前に患者が死んでしまったが、今度は人口が密集する都市で流行している

2014年7月11日(金)12時11分
ジョシュア・キーティング

触れてはいけない 医療スタッフが使った手袋を天日干しで殺菌する Umaru Fofana-Reuters

 西アフリカのギニアで、エボラ出血熱の感染が拡大。先週末時点で死者数は80人を超えた。

 致死率が90%にも達するエボラ出血熱は、過去にコンゴ(旧ザイール)やウガンダの都市部で大流行し、数百人の死者を出した。激痛や出血、嘔吐に苦しむが、治療薬はない。ただ発生地は人口の少ない僻地が多く、血液や分泌液などに直接触れない限り感染しないため、感染者を隔離すれば拡大は防げた。

 だからこそ今回のギニアのケースは看過すべきではない。既に人口165万の首都コナクリまで達し、国境を越えてリベリアやシエラレオネでも感染(や疑い)が確認されている。発生地のギニア南東部はこれまでエボラ出血熱と無縁だった地域であるため、医療従事者の経験不足も懸念材料だ。

 セネガルはギニアとの国境を封鎖し、サウジアラビアはリベリアとギニアからの巡礼者ビザの発行を停止。ギニア政府はエボラ出血熱の自然宿主とされるコウモリを食することを禁じた。

 コナクリで活動する人道支援団体、国境なき医師団は「これほどの感染拡大は見たことがない」という。

From GlobalPost.com特約

[2014年7月15日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

JPモルガン、トランプ氏主導の「平和評議会」と協議

ワールド

IMF、中国26年成長率予測4.5%に維持 不動産

ビジネス

リオティント、通期利益が予想に届かず 鉄鉱石価格の

ワールド

米インドネシア企業、総額384億ドルの契約に署名 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 3
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 4
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではな…
  • 5
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 8
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 9
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 10
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中