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バルセロナでしか勝てないメッシがゲームに

アルゼンチン代表チームで力を発揮できないスーパースターを「リアルに再現」したゲームソフトが登場

2011年8月18日(木)18時00分
ステファニー・ガーロー

期待外れ 南米選手権でも母国に勝利をもたらせなかったメッシ(7月16日) David Mercado-Reuters

 7月に行われたサッカー南米選手権(コパ・アメリカ)の準々決勝、ホスト国のアルゼンチンはPK戦の末にウルグアイに敗北を喫した。世界一のスーパースター、リオネル・メッシを擁しながら、アルゼンチン代表チームはまたしても国際舞台で敗れ去ったのだ。

 メキシコのスポーツ日刊紙エスタディオは、ピッチ上で取り乱した様子のメッシの写真を掲載し、有名な歌に掛けて「「アルゼンチンよ、泣かないで」という見出しをつけた。イタリアのコリエレ・デラ・セラ紙は「アルゼンチンの悪夢」と報じた。

 メッシを、現役のみならずサッカー史上最高の選手だと評する声は根強い。見た目は子供のように幼いのに、ピッチでは華麗に敵をかわしてゴールを奪う。ボールコントロールは天下一品だ。

 だが、どれほど見事なパフォーマンスを見せても、アルゼンチンをワールドカップで優勝させるまで、メッシは批判派の声を封じることはできないだろう。彼らはメッシがなぜ、アルゼンチン代表チームよりも、所属するスペインのクラブチーム、バルセロナでプレーするときのほうが素晴らしいパフォーマンスを見せるのか、不思議でならない。

 メッシへの苛立ちは、ついに現実世界を超えて、ゲームの世界にも飛び火。アメリカのゲームソフトメーカー、EAスポーツが発売したテレビゲーム「FIFA」の最新版では、バルセロナでプレーする際のメッシの能力は100点満点中98点とほぼパーフェクトに設定されている。ところが、アルゼンチン代表チームにおけるメッシの能力は76点。ペルーのエル・コメルシオ紙によれば、EAスポーツの担当者は「テレビゲームをより現実に近づけるための試みだ」と話しているという。

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