韓国を世界に売り込む男
UAEを訪問し原発を受注
李は韓国の国家としてのブランドイメージ向上にも強い関心を抱いている。李はかつて、中小企業だった現代建設が世界的な大企業へと成長していくプロセスでビジネスマンとして腕を振るった実績がある。盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領と違って英語を話せるし、「韓国」をPRするのもお手の物だろう。
韓国電力公社を中心とする韓国企業連合は09年12月、日米企業連合とフランス企業連合を抑えて、韓国史上最大規模の国外事業の受注を勝ち取った。アラブ首長国連邦(UAE)での400億ドル規模の原子力発電所建設だ。李がUAEのハリファ・ビン・ザイド・ナハヤン大統領に6回も電話をかけ、大詰めの段階で同国を訪問したことが功を奏したことは間違いない。
現代やサムスンは高品質の製品を提供する企業というイメージを確立したが、その他の多くの韓国企業は今でも「韓国製イコール粗悪」という偏見に足を引っ張られている。
イギリスのブランド専門家サイモン・アンホルトが行った調査によれば、韓国は経済規模では世界13位だが、国家としてのブランド力では33位にとどまっている。アメリカの大学生の半数以上が現代とサムスンを日本企業と勘違いしているという調査結果もある。
「国としてのブランドイメージを韓国企業のトップブランド並みに引き上げたい」と、国家ブランド委員会の魚委員長は言う。
李はG20サミットをその足掛かりにしたいと考えているはずだ。李は既に、教条的なイデオロギーにとらわれずに外国投資と自由貿易を歓迎する大統領として前任者たちとは一線を画している。G20サミットを利用して、これまでの路線をさらに確固としたものにするつもりだろう。
特にアジアの貧しい小国に対して、中国より開かれた、よりグローバルな韓国モデルこそ彼らの手本にふさわしいというメッセージを発信したいと李は考えている。
主要20カ国の指導者が韓国に何日か集まったからといって韓国の運命が変わるわけではない。だが李に言わせれば、G20サミットの開催は韓国を「アジアの片隅から世界の中心に」躍進させるための壮大な取り組みの1つなのだ。
[2010年2月24日号掲載]





