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日米関係

鳩山を甘くみたゲーツのガイアツ

2009年10月30日(金)12時53分
マイケル・フリードマン

 日本の鳩山首相はアメリカとの「より対等な」関係づくりを国民に約束して政権の座に就き、一方でオバマ米政権は同盟国である日本がアメリカから離れていくのではと疑心暗鬼に陥った。そして今、オバマ政権はこれ見よがしに日本に冷たくしているようだ。

 鳩山は在日米軍の在り方を見直し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を県外移設するという公約を掲げて総選挙を戦った。とはいえこれは国内向けで、アメリカのアジア戦略にとって差し迫った脅威になるものではなかった。

 しかし10月20~21日にかけて訪日したゲーツ米国防長官は岡田外相、北沢防衛相、鳩山首相と相次いで会談。普天間飛行場をキャンプ・シュワブ(同県名護市)に移設するという日米合意を履行するよう強硬な姿勢で求めた。

 同盟国の意見に耳を傾けると胸を張ったオバマ政権はどこへ行ったのか。ゲーツのいら立ちの裏には、移設が進まないことに対する国防総省内の不満や、11月中旬のオバマ訪日前に問題を解決したいとの思惑、米政府内における国外の基地をめぐる意見の対立といったものがあるようだ。

 さらには米政府は時代が変わったことを認識せず、「外圧」で日本を動かすという古い手が今も通用すると期待していた。

 53年も続いた自民党支配を打ち破った民主党の鳩山は、より独立した日本を築くことに威信を懸けている。普天間問題が解決しても、これ以上アメリカは日本に命令できないとの態度を示す必要がありそうだ。

[2009年11月 4日号掲載]

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