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イタリア

ベルルスコーニ火遊びのツケ

2009年10月8日(木)15時09分
バービー・ナドー(ローマ支局)

今までは法の上に君臨してきたが

「イタリア人はありのままの私を受け入れてくれる」とベルルスコーニは7月に支持者に語った。 「ご存じのとおり、私は聖人ではない」

 だとしたら、イタリア人はベルルスコーニの女癖のひどさに気付いていなかったのかもしれない。世論調査によると、首相の支持率には陰りが見える。支持率は初めて50%を切り、夫人が離婚手続きに踏み切ったときから10%近く下がっている。

 たとえ今回も危機を乗り切ったとしても、前途は多難だ。国外でもベルルスコーニの信用は傷ついている。ベルルスコーニの別荘内で撮られたヌードの女性たちの写真や裸のチェコ首相(当時)の写真が公開され、警備の手薄さも浮き彫りにされた。ベルルスコーニは国内での写真掲載差し止めを求める訴訟を起こしたが、特に際どい写真を掲載したのはスペインの新聞だった。

 イタリア人がベルルスコーニを支持してきたのは無敵というイメージに魅力を感じたせいでもある。旧家の財産にものを言わせて成功する人が多いイタリアで、彼は本物のたたき上げだ。法律をルールではなく単なる忠告として利用しているとの評判もあるし、ルールを守れないときはルールを変える人物ともみなされている。

 だが善と悪のグレーゾーンを合法化する彼の手法に、イタリア人もようやく疑問を感じ始めた。就任以来、スキャンダルのたびに愚かさはエスカレートしていくばかり。ベルルスコーニにも年貢の納め時が来たのかもしれない。

[2009年8月12日号掲載]

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