最新記事

中間選挙

オバマ失言で勢いづく共和党

2010年10月20日(水)14時58分
ジョン・ディッカーソン

 バラク・オバマの問題は、大統領としての資質にあるのか、それともコミュニケーション能力にあるのか?

 実際のところ、問題なのは経済だ。しかし有権者は、オバマ政権の能力不足やアピール下手が問題だと考えている。なぜオバマは経済の立て直しにもっと力を入れないのか、なぜ自分の功績をうまく説明できないのか、と。

 オバマは先週、自らコミュニケーションの問題をさらけ出した。ワシントンの大学で開いた集会で、ニュースのサイクルが早過ぎて長期的な問題の解決に向けた政権の取り組みに国民の目が向かないと発言。ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューでは、自分と部下が政治的な利益よりも正しい行いを追求することに「かえってプライド」を持っていると語った。

 一方、共和党はオバマの能力に問題があると主張している。ブッシュ政権とは違って、聡明でイデオロギー色のない大統領と期待されたオバマだが、実際はそうではなかった。共和党はその証拠として、法案を成立させられない政権の非力さに加え、雇用情勢に対するあまりに楽観的な見通しや、メキシコ湾原油流出事故への対応の遅れなどを挙げている。

 さらにオバマは、ニューヨーク・タイムズのインタビューで図らずも敵の攻撃を助けるような発言をしてしまった。景気刺激策に含まれているインフラ(社会基盤)整備に関して、「問題は時間がかかること。今すぐ開始できる(インフラ)事業などない」と答えたのだ。

 オバマ政権は景気刺激策を実施した際、直ちに政府支出が投入されるとうたっていたはず。国民は多くの事業が「すぐに着工できる」と伝えられていたし、ホワイトハウスのウェブサイトもそんなうたい文句であふれている。

 共和党は早速このオバマの発言に飛び付き、景気刺激策が無駄だったと非難し始めている。カリフォルニア州上院選の共和党候補カーリー・フィオリーナの陣営は「(民主党上院議員のバーバラ・)ボクサーもオバマと同じ考えなのか?」と対立候補を挑発した。

 中間選挙を前に景気刺激策による経済効果の論議は続くだろう。そしてオバマの発言は共和党に格好の餌を与えてしまった。

[2010年10月27日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:カジノ産業に賭けるスリランカ、統合型リゾ

ワールド

米、パレスチナ指導者アッバス議長にビザ発給せず 国

ワールド

トランプ関税の大半違法、米控訴裁が判断 「完全な災

ビジネス

アングル:中国、高齢者市場に活路 「シルバー経済」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界がうらやむ国」ノルウェーがハマった落とし穴
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 10
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 8
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 9
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 10
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中