最新記事

米政治

控えめな態度のヒラリーが人気

2009年10月23日(金)13時20分
ケイティー・コノリー(ワシントン支局)

 10月15日にギャラップ社が発表した世論調査によると、ヒラリー・クリントン米国務長官はオバマ大統領を上回る62%の支持率を獲得した(オバマの支持率は56%)。オバマもクリントンも1月より支持率を下げているが、クリントンの下げ幅はわずかにポイントだ。

 90年代にファーストレディーだった時期からのクリントンのデータを持つ同社によると、過去に彼女の支持率が不支持率を大きく上回ったのは、夫ビルとモニカ・ルインスキーの性的スキャンダルの騒ぎが続いていた98年12月。だらしない夫に苦労させられる妻として同情を集めた。

 最近のクリントンの支持率が安定しているのは、表舞台にあまり登場していないせいだろう。オバマが頻繁にテレビに登場しているのに対し、クリントンの露出は散発的。オバマはテレビで自動車業界への援助などについて語って無党派層を失望させたが、クリントンは難しい決断を迫られたり、不人気な政策を表立って弁護する必要もなかった。

 クリントンが女性だという要因も支持率に影響しているようだ。おそらく有権者はクリントンが中心人物ではなくサポート役として動くことを好んでいる。彼女が助言役やチームの一員に徹しているときには支持率は急上昇する。反対に、医療保険制度改革など何らかの政策を先頭に立って提唱したときには「うるさい雌犬」といった罵言が飛び交う。

 有権者がクリントンに求めているのは「政権に忠実なメンバーの1人」「ブッシュ前大統領の批判者」「一議員としてのクリントン」といったイメージ。自分だけスポットライトを浴びるようなまねは避けたほうがよさそうだ。

[2009年10月28日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、メキシコ産トマトの大半に約17%関税 合意離脱

ワールド

米、輸入ドローン・ポリシリコン巡る安保調査開始=商

ワールド

事故調査まだ終わらずとエアインディアCEO、報告書

ビジネス

スタバ、北米で出社義務を週4日に拡大へ=CEO
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 7
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 10
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中