最新記事

シミュレーション

ゾンビ襲来!国際政治はいかに戦うか

科学者が「ゾンビとの戦い方」を大真面目に計算したので、国際関係理論で対抗してみた

2009年8月20日(木)18時52分
ダニエル・ドレスナー(タフツ大学教授)

ゾンビが墓場から這い出てきたら、国際社会はどう対応する?(フランクフルトで7月に開催されたゾンビ・パレード) Johannes Eisele-Reuters

 英スペクテーター誌のウェブサイトで、ジャーナリストのアレックス・マッシーはBBCの「科学で読み解く『ゾンビ攻撃』」というニュースを取り上げてこう語っている。


 もしゾンビが実在し、人類を攻撃してきたとしたら、迅速かつ攻撃的な対処をしない限り文明の崩壊を招くだろう――。

 これはカナダの研究グループが行なった数学的研究の結論だ。

 人類に勝つチャンスを与えるため、研究者たちは最近の映画に出てくるような敏捷で知性の高いゾンビではなく、昔ながらののっそりとしたゾンビを敵と仮定した。

 分析によれば、ゾンビを捕えたり、(その原因となる病気を)治療したりしても、一時しのぎの効果しかないという。人類が生き残る唯一の希望はゾンビをひたすら打ちのめすことなのだ。


 なるほど、と思う人もいるかもしれない(人から人へと広がっていくという点で、ゾンビは伝染病に似ている。この研究は未知の伝染病への対処に応用できるかもしれないという専門家の見方をBBCは伝えている)。だがマッシーは憤慨している。


 彼らはずるをしている。ルールもないのにそんな風には戦えない。だいたい、旧式ゾンビに打ち勝てたところで、次世代ゾンビの前にどれほど人類は無力なことか。


 マッシーの怒りをなだめるために、ちょっと別の角度からゾンビの問題を考えてみよう。ゾンビが本当に発生した場合の影響を、国際関係論的に予想してみたらどうなるだろうか。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

トランプ政権、肥満治療薬を試験的に公的医療保険の対

ビジネス

パウエル氏利下げ拒否なら理事会が主導権を、トランプ

ビジネス

ダイムラー・トラック、米関税で数億ユーロの損失計上

ワールド

カンボジア、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 9
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 10
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 8
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中