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考古学

放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っていた「新発見」とは?

New Species of Flying Reptile Discovered in Overlooked Museum Fossil

2025年11月21日(金)18時20分
ハンナ・ミリントン
博物館に展示された化石

恐竜の化石はその骨格だけでなく、嘔吐物まで化石となっている(写真はイメージ) Daniel Eskridge-shutterstock

<ブラジルの大学内の博物館で見向きもされなった化石が、研究者によって再び注目を集めている>

恐竜が吐き出した内容物が化石として残ることがある。

ブラジルのリオグランデ・ド・ノルチ連邦大学にあるカマラ・カスクード博物館に長年保管されており、これまでほとんど注目されることもなかった恐竜の嘔吐物の化石を研究チームが分析したところ、新種の生物が発見された。

【動画】恐竜の吐瀉物の化石...その中に眠っていた「新種の生物」とは?


この化石はブラジル北東部のアラリペ地域から出土した他の化石と共に保管されていたが、正確な産地や採集時期の記録も残されていなかった。

研究チームがこの化石を分析したところ、新たに発見された「ろ過摂食性」(水中の小さな生物や有機物をこし取って食べる)の翼竜の一種の骨が不完全ながら2匹分、それに4匹の魚の化石が含まれていることが分かった。研究チームはこの翼竜を「バキリブ・ワリザ」と名付けた。

チームは「翼竜の骨が砕けているのは、捕食される際に物理的に砕かれた結果である可能性が高い。骨以外の部位である軟組織が見られないのは、嘔吐物の化石に軟組織が先に消化される性質と整合している。この性質は、地面に埋没した後の変化によって顕著になった可能性がある」と説明している。

研究者らは、新種の翼竜の調査のための「系統解析」(生物同士の進化的な関係を推定する)を行ったほか、「古組織学的分析」(化石化した骨や歯などの微細な内部組織を顕微鏡で観察する)を実施して、歯の象牙質と歯髄腔が良好に保存されていることを明らかにした。

これまでに発見された多くの翼竜もアラリペ周辺に生息していたとみられるが、熱帯域で発見されたろ過摂食性の翼竜はこれが初だ。

「バキリブ・ワリザは、非常に長く伸びた顎と、密に並んだ櫛状の歯列を有している。同じろ過摂食性の翼竜であるプテロダウストロに似ているが、歯の断面や間隔が異なっている」と研究チームは述べている。両者はいずれも、針のように細長い歯を持つことで知られる翼竜のグループ、クテノカスマ科に分類される。

【参考文献】

Pêgas, R. V., Aureliano, T., Holgado, B., Almeida, W. B. S., Santos, C. L. A., & Ghilardi, A. M. (2025). A regurgitalite reveals a new filter-feeding pterosaur from the Santana Group. Scientific Reports, 15(1), 37336.

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