最新記事
サイエンス

友達になるのは偶然じゃない?...「生涯の友」は脳が似ているかで決まる【最新研究】

The Way Your Brain Reacts to Movies May Predict Who You’ll Be Friends With

2025年9月29日(月)15時19分
アリス・ギブス
互いの目を手で隠す女性たち

Sam McNamara-Unsplash

<似たような経験や趣味から友達になるという考えはもう古い? 実は「脳がどれだけ似ているか」が、友情が長続きするかに影響しているようだ>

同じシットコムで笑い、同じドキュメンタリーで涙を流す──そんな友人とは、脳の相性が抜群なのかもしれない。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とダートマス大学の研究チームが発表した新たな研究によれば、映像を見たときに脳が似た反応を示す人同士は、長続きする友情を築きやすいという。

研究チームは、経営学修士(MBA)課程に入学したばかりの学生を対象に調査を実施。学生たちが交流を始める前に、41人に対して機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を用いて、コメディや討論番組、自然ドキュメンタリーなどさまざまな映像クリップを視聴してもらった。

その後8カ月間にわたり、学生同士の交友関係の形成過程を追跡。すると、同じ映像を見た際に似た脳の反応を示した学生同士は、他の学生に比べて友情を育みやすく、時間とともに親密度も高まる傾向があることが明らかになった。

研究者たちは論文の中で、「視覚と聴覚の情報を同じように処理する人々は、将来的に友情を築きやすく、時間とともに社会的つながりが強まる可能性が高い」と述べている。

番組やスポーツの好みが合うかどうかにとどまらず、脳が世界をどう捉えているかというより深いレベルでの共通点こそが、友情が続く相手と、自然と離れていく相手がいる理由を説明する手がかりになる可能性がある。

東京アメリカンクラブ
一夜だけ、会員制クラブの扉が開いた──東京アメリカンクラブ「バンケットショーケース」で出会う、理想のパーティー
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

長期金利、様々な要因を背景に市場において決まるもの

ワールド

中国と推定される無人機、15日に与那国と台湾間を通

ワールド

中国、ネット企業の独占規制強化へ ガイドライン案を

ワールド

台湾総統、中国は「大国にふさわしい行動を」 日本と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 5
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 6
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中