「都会人=早歩き説」は本当?...スマホとスタバが奪う「余白」の時間
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ニューヨークなどでは、歩行者が80年当時より速く移動している RYAN DEBERARDINIS/SHUTTERSTOCK
<都市部に行くと「みんな歩くのが速い」と感じたことはないだろうか。実はその直感を裏付ける驚きの事実が、最新の研究で明らかになった>
都会の生活はペースが速いと、昔から言われる。実際にどれほど加速しているのか、証明するデータが登場した。
「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載された論文
マサチューセッツ工科大学(MIT)などの専門家は7月、新たな研究を発表。米北東部の大都市ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアでは、歩行者の移動速度が1980年当時より30年間で15%上昇していたという。
「歩行速度の上昇で、路上移動の平均時間が約13%減少している。つまり、通りすがりに会話やアイコンタクトをする時間が減っている」と、英ノーザンブリア大学のルース・コンロイ・ドルトン教授(建築学)は本誌に語る。
今回の研究によれば、公共空間で立ち止まる人も少なくなっている。その数は80年からの30年間に14%減少した。
「出会いの場というより通路としての側面が大きくなり、公共空間の機能が変わっていった」と、研究の共同執筆者で、MITセンサブルシティ研究所長のカルロ・ラッティは述べている。