最新記事
考古学

古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コンピューター」の解明進む

2025年3月19日(水)16時30分
アリストス・ジョージャウ(科学担当)
沈没船周辺を調べるダイバー

沈没船周辺を調べるダイバー ESAG

<現代技術が解き明かす、太古の技術「アンティキティラ・メカニズム」の謎>

古代ギリシャの沈没船から発見された、驚愕のアナログコンピューターの解析が進んでいる。

海底深くに沈んでいた船内から発見されたのは、複雑に連動する歯車を持つ青銅製の手動式装置「アンティキティラ・メカニズム」。世界最古のアナログコンピューターとされ、太陽や月といった天体の動きを予測するために使用されていたという。


宗教的儀式や農作業の予定を決めるのにも役立ったようだ。

紀元前1世紀のものとされる沈没船は1900年、エーゲ海に臨むギリシャのアンティキティラ島沖で発見されていた。新発見を可能にしたのは長時間かつ深く潜れる最新鋭の潜水装備だ。水中ドローンによって発掘の様子を追跡・記録し、リアルタイムで調査できるようになった。

「アンティキティラ・メカニズム」は、古代技術に関する理解を覆した。約2000年も海の底に眠っていた太古のテクノロジーが、現代のテクノロジーで見いだされたのだ。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、シリア大統領官邸付近を攻撃 少数派保護

ワールド

ライアンエア、米関税で航空機価格上昇ならボーイング

ワールド

米、複数ウイルス株対応の万能型ワクチン開発へ

ワールド

ジャクソン米最高裁判事、トランプ大統領の裁判官攻撃
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中