最新記事

テクノロジー

今年、ザッカーバーグ専用AIアシスタントがデビューする?

フェイスブック創始者が、人工知能を備えた「完璧な」パーソナルアシスタントを開発したいと新年の抱負を発表

2016年1月5日(火)17時57分
ディーポ・ファロイン

目指すは「ジャービス(J.A.R.V.I.S.)」 仕事の補助だけでなく、生まれたばかりの娘の子守りも含め、プライベートでも活用できるデジタル執事の開発を考えているようだ Robert Galbraith-REUTERS

 ダイエット、禁煙――新年の抱負と言えば大体がこのようなものだろう。だが、マーク・ザッカーバーグは違う。フェイスブック創設者のザッカーバーグには、2016年に向けた壮大な計画がある。彼は、人工知能(AI)を備えた「パーソナルアシスタント」をつくりたいと考えているのだ。

 1月4日、ザッカーバーグは自身のフェイスブック・ページへの投稿で、マーベルのスーパーヒーロー『アイアンマン』を引き合いに出して、「ジャービス(J.A.R.V.I.S.)のような」完璧なアシスタントを開発したいと述べた。J.A.R.V.I.S.は主人公トニー・スタークが設計したAIであり、いわばスタークのデジタル執事だ。

 ザッカーバーグは、「既存の技術」について調査を終えたら、夢の実現を目指して行動を起こすつもりだという。

「私の声を理解し、自宅内の音楽や照明、室温などすべてをコントロールできるように、AIアシスタントを教育するつもりだ」とザッカーバーグは投稿の中で述べている。「仕事の面では、データをVR(仮想現実)で可視化させて、より良いサービスを構築し、組織を効率的に率いるために役立てたい」

 このAIの仕事は、ハードウェアとつながり、コントロールすることだけに限定されないだろう。今年ザッカーバーグ家を訪れる機会がある人は、人間の顔を認識できるコンピューター制御の執事に迎え入れられる可能性もある。

 ひょっとしたら、昨年12月に生まれたザッカーバーグの娘のマックスに、世界一高性能な子守りがつくかもしれない。ザッカーバーグは、このデジタル執事にまだ幼いマックスの部屋を監視させ、何かあったときには、すぐに誰かに知らせることができるようにしたいとも考えている。

南洋理工大学のヒューマノイド「ナディーン」の可能性

 それならザッカーバーグは、南洋理工大学(シンガポール)の科学者たちにぜひ接触すべきだ。同大学は昨年12月29日、「ソーシャル」なロボットを開発したと発表。「ナディーン(Nadine)」と名付けられたこのヒューマノイドには、アップルのSiriに似た技術が搭載されており、面識のある人物を認識したり、スムーズな会話をこなしたりもできる。また「人格」も組み込まれていて、相手の発言次第では、不機嫌になることもあるという。

 ナディーンを開発したチームの望みは、最終的には同様の技術が、子供や年配者の話し相手や補佐役となり、「将来的にはヘルスケアサービス向けのプラットフォームとしての役割を果たせる」ようになることだ。

 あるいは、その技術のおかげで、AIアシスタントが淹れた完璧なコーヒーをザッカーバーグが楽しめるようになるだけかもしれないが。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ

ワールド

ベネズエラ沖で2隻目の石油タンカー拿捕、米が全面封
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中