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朝食で使った容器を肥料化し、野菜を育てる...スーパーホテル富士河口湖天然温泉の「資源循環システム」とは?

2024年12月17日(火)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

取り組みを通してホテルの利用者と地域の繋がりを創出

朝食トレーに敷いたedishの説明

朝食トレーに敷いたedishの説明

edishを導入した当初に課題となったのは、分別されず、他のゴミと一緒にそのまま捨てられてしまうことであった。

そこで分別してもらうための工夫を考えた結果、最も効果が得られたのは、使い終わった容器が堆肥化され農家で再利用される循環プロセスを説明する紙を朝食トレーに敷くことだったという。それに加え、スタッフが口頭でも説明を行うことで、ホテルの利用者の理解を深め、協力が得られるようになっていった。

今ではチェックアウト後に「どこで野菜を購入できますか?」といった質問をゲストから受けることもあり、近くの道の駅で購入できる旨や、生産者の名前を伝えたりしているという。

「ホテルの存在意義の一つとして、立地する地域にどうやって貢献できるかがあると考えています。そういう意味では、今回は朝食を通じてお客様と地域の繋がりを生み出し、かつ資源循環などの先進的な事例が生み出せたと考えています」と、迫田氏は話す。

今後は、地域の良さやSDGsの取り組みを顧客に引き続き体感してもらいながらも、都市部など他地域へと取り組みを拡大していくことが目標だという。そのためにも国内172店舗、海外1店舗を展開しているチェーンホテルというネットワークは大きな強みになる。

富士河口湖温泉での取り組みを皮切りに、地域ごとの特性を生かした柔軟な環境活動事例を展開していくことができれば、持続可能な事業運営と社会貢献の両立を図るモデルケースとなっていくだろう。

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