最新記事
SDGsパートナー

インドの農家と一緒に、種から始まるオーガニックへの取り組み、スタイレム瀧定大阪の「ORGANIC FIELD」

2023年9月26日(火)11時15分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
インドの農家とスタイレム瀧定大阪株式会社の社員

インドの農家とスタイレム瀧定大阪株式会社の社員

<現地農家のオーガニック化への移行期を支援し、見落されがちな農家の経済的負担を支える>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

私たちの生活のそばにあるコットン(綿)。その生産過程における環境保護を目指したオーガニックコットンは、導入へのハードルの高さが、綿花栽培の農家の新規参入を阻んでいる側面がある。そこでスタイレム瀧定大阪株式会社は、農家と一緒に種から始まるオーガニックへの取り組み「ORGANIC FIELD」をインドで実施している。

「オーガニック化のジレンマ」を解消するプログラム。

インドは2023年時点で中国に続く、世界第2位のコットン生産国だ。ただ一般的な綿花栽培では、大量の化学肥料や農薬によって、環境と農家の健康に負荷があたえられるケースも少なくない。

そのため、インドでも無農薬のオーガニックコットンへの転換が急務となっているが、農地のオーガニック化は、手間がかかり、短期的には収穫量の低下をもたらすため、農家には大きな経済的負担がのしかかる。

そのため貧困層が多いインドの農家では、オーガニック化が遅々として進まないのが実情となっている。

こうしたジレンマに直面している現地農家のオーガニック化に向けて、負担が少なく移行できるように、スタイレム瀧定大阪株式会社が2021年から取り組んでいるのが「ORGANIC FIELD」だ。

トレーサビリティ(履歴管理)が確保された綿花を栽培するため、種の選定から綿花栽培、糸の生産までのプロセスを管理し、有識者と協力して研修や意識プログラムを現地農家に実施。オーガニックコットン栽培に新規参入しやすい環境を整えている。

有害な化学物質を使用しないオーガニック農業を実現することで、土壌だけでなく、その土地で働く農家の健康も守ることができ、自然環境に加えて労働環境の改善も見込める。

photo3.jpg

コットンの収穫・綿繰りの様子。インドでは、手作業で行われる。

こうした取り組みを行うきっかけについて、スタイレム瀧定大阪は、繊維専門商社として流通の立場から「オーガニックコットンの認定偽造問題をきっかけに『本当に信頼できるオーガニックコットンを提供したい』という思いからこの取り組みをスタートさせました」としている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、トランプ氏発言で危険にさら

ビジネス

テスラ、米生産で中国製部品の排除をサプライヤーに要

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中