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原油高でインフレ再燃の懸念...金利上昇なら住宅ローン負担は最大1000万円増も

2026年3月15日(日)10時21分
小宮 一慶 (小宮コンサルタンツ会長CEO*PRESIDENT Onlineからの転載 )

「未払利息」という一生免除されない重荷

そうするとインフレを抑え込むしか手はありません。民間企業の賃上げを促すより、インフレのほうが直接的に扱いやすく、日銀は政策金利(短期金利)を上昇させざるをえません。そうすれば、現状158円程度の円安にも多少良い影響があると考えられます。

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出所=日本銀行金融市場局「最近の金融市場の動向 および市場調節の運営」

おそらく日銀は、4月27日、28日の政策決定会合で政策金利を0.25%上昇させ、現状の0.75%を1.0%にすると考えられます。年末には1.25%まで上昇する可能性も低くありません。


そうした場合、大きな影響が出るのが変動金利で住宅ローンを借りている人たちです。今後、私の予想のように現状に比べ0.5%金利が上昇すると仮定すれば、もし、変動金利で住宅ローンを借りていて現状3000万円で20年のローンが残っているとすれば、年間で約8万円、20年間で160万円強の金利負担増となります。

住宅ローンには、急に返済額が増えない規定(5年ルール=5年間は返済額を変えない、など)がありますが、それでも金利上昇分は結局負担しなければならず、このルールがかえって「未払利息」という一生免除されない重荷になってしまう恐れがあります。

長期金利も上がる

当然、こういう状況では、先にも述べたように、政府は今後インフレ対策を行わざるを得ない状況となります。ガソリン、電気、ガスなどへの補助金を出すなどです。そうすると、もちろんその財源が必要です。

それでなくても対名目GDP比で235%という先進国中最悪の財政状況の現状では、高市政権の「積極財政」の掛け声だけで長期金利が大きく上昇し、一時は10年国債利回りが2.3%にまで上昇しました。現在は少し落ち着いて2.2%前後ですが、こちらも再上昇する確率が高いでしょう。

これは当然、企業が借り入れる長期金利にも影響します。有利子負債が多い企業に影響を与えるのはもちろんのこと、財務内容が比較的良い企業でも、設備投資を躊躇する可能性があります。なぜなら、長期金利が上昇するとそれに応じた収益率の上昇が必要になるからです。

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