「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果とは何か?
RitaE-pixabay
<食べすぎに慣れた現代の体を、ファスティングが分子レベルで再生へと導く>
ファスティングはツラいものではなく、やっていて楽しくなるもの。数々のダイエットに挫折してきた著者が、「ファスティング」を再定義。
『シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティング』(CEメディアハウス)より第1章「あなたならではのファスティングを見つける」を一部編集・抜粋。
ファスティングの効果とは何だろう? ひとつの重大なメリットは、インスリンの分泌量を抑えられることだ。
食事をすると、体は食べ物の炭水化物を主要な分子エネルギー源のひとつ、グルコースと呼ばれる糖に分解する。血液中のグルコース濃度が上昇し、これに反応して膵臓(すいぞう)は代謝ホルモンであるインスリンを分泌する。
インスリンは体内の細胞と結合し、グルコースを取り込んでエネルギーとして燃焼させる。最後に、体はコレシストキニンやレプチンといったホルモンを分泌し、「満腹だ、もう食べなくていい」というシグナルを送る。
これが本来の代謝システムなのだが、質の悪い脂肪が存在せず、常に手に入る甘いものといえばハチミツぐらいしかない時代に進化した繊細な生物学的メカニズムは、現代のビッグ・フードによっていとも簡単に混乱してしまう。
企業は絶えず安価な高カロリー食品を躍起になって売り込もうとしているし、しかもそれらはどれもこれも体にとってまったく望ましくない。手ごろな値段の高カロリー食品の魅力を高めようと、企業はそれらに合成香料や人工甘味料のほか、味をよくするためなら何だって混ぜ込む。
何も悪意のある誰かがあなたを病気にさせようとしているわけではない。企業経営者は自分の仕事、つまり収益を最大化し、コストを最小化しようとしているにすぎない。






