最新記事
ファスティング

「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果とは何か?

2025年12月31日(水)11時20分
デイヴ・アスプリー (起業家、投資家、「ブレットプルーフ」創設者)

だとしても、消費者の立場からすると、悪意があるかないかなどどうでもいい。重要なのは結果だ。スーパーマーケットの棚には、人間の代謝システムを狂わす加工された食品がぎゅうぎゅうに押し込まれている。

精製糖や低コストの炭水化物だらけの加工食品を食べると、体に摂り込まれる膨大なカロリーに体の反応が追いつかなくなる。加工された食べ物に含まれる多量の香料や甘味料も、消化器系の正常な「満腹」シグナルをかき乱し、問題を悪化させる。


消費エネルギーよりも摂取エネルギーのほうが多ければ、余分なグルコースは脂肪として蓄えられる。と同時に、膵臓はバランスを保とうと必死になって働きすぎてしまう。その結果、体はインスリンに対する反応(感受性)が鈍くなる。これが2型糖尿病の主な原因だ。

ファスティングはグルコースによるインスリン分泌をゆるやかにして、体を休ませる。そうした休息は、質の悪い食品を摂取している体にはなおのことありがたい。いつもの食生活がどんなものであろうと、ファスティングが誰にとってもメリットがあるのはそういうわけだ。

そもそも、短期間でも悪いものを口にしないのは健康にいい。食事を摂らない時間帯を作ると、体はそれまで蓄えていた糖と脂肪をエネルギー源として利用する。グルコース濃度は常に安定し、インスリン値は下がるだろう。

デューク大学医科大学院の内分泌学者エイドリアン・バルノスキーとその同僚は、断続的ファスティングがインスリン抵抗性[インスリン感受性が低下し、血糖値が上昇する疾患]の予防に役立つと結論づけた(*1)。

また、ファスティングがレプチン抵抗性[脳に満腹信号を送るホルモン、レプチンが作用していない状態]を防ぐのにも有効であることを示す、説得力のある臨床的エビデンスもある。

レプチン抵抗性はインスリン抵抗性の前兆なので、このエビデンスは重要だ。血糖値を上げるものでない限り、一定の食品を摂りつつファスティングのメリットのほとんどを得ることはできる。それが断食を模倣した食事法の原則なのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米軍がホルムズ海峡封鎖へ、イランは交渉に戻る見通し

ワールド

ロシア・ウクライナ復活祭停戦、発効数時間で双方が違

ワールド

米イラン協議決裂、核・ホルムズ海峡で溝埋まらず 停

ワールド

中国、台湾向け観光規制緩和など新措置 野党党首訪中
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    新しいアメリカンドリームは「国外移住」...5人に1人が海外を希望する時代
  • 2
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相場で人気の優良株から売られる落とし穴
  • 3
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけない副作用に研究者が警鐘
  • 4
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 5
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 6
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 7
    中国が恐れる「経済ドミノ」
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 10
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 8
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中