なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの80%は動作以前にある
III. 認識スピード
すばやく飛んでくる拳を目がロックする。そこで、実際に何が起こっているかを脳が認識するまでに何分の1秒かの時間が必要になる。
信じられないかもしれないが、わたしたちは、その大男の手の動きにいくつかの異なる可能性を見ている。倒れかかってきている? 肩を軽く叩きたい? ハイタッチしたい? 等々もそこに含まれている。
IV. 決定スピード
今や攻撃されていることがわかった。そのため、ベストの対処法を決めなければならない。もちろんすごい速度ですべての物事が進行している。
映画『シャーロック・ホームズ』のファイトシーンでは、ロバート・ダウニーJr.がここまでのプロセスをスローモーションで見ていたが、そこまで高度にスピードサイクルを扱える人はいない。これは長い時間を要する前頭葉の決定を待ってはいられない事態だ。
かわす? それともブロックする? 逆に先制パンチをお見舞いする? どうするかは脳幹が即決することになる。
V. 動作スピード
腕を上げ、あとずさることでパンチをブロックすべきだとあなたの脳が判断する──いい決定だ。ここで残るのは、体を使って実際にそう行動することだ。動作スピードは、神経系や筋肉がどれだけ速く機能し、動作を現実化できるか? そのスピードを指す。





