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年金問題

必要な老後資金は6億円...「年金離れ」のZ世代が行う、年金に代わる将来のための備えとは

The Real Reason Gen Zers Are Turning Their Backs on Pensions

2025年10月15日(水)10時50分
メリッサ・フルール・アフシャー
年金制度のイメージ画像

年金制度への不信感が蔓延しているのは日本だけではないようだ fadfebrian-shutterstock

<多くの若年層は、自身が年金を受け取れる頃まで年金制度が存続しているとは思っておらず、他の世代と異なる資産形成を行っている>

将来のため、必死に年金資産を築く時代は、もう終わり――。Z世代はそう考えているようだ。

Z世代は、将来の保障を担う社会保障制度を信用するよりも、今この瞬間に貯蓄を楽しむことに関心を寄せている。

【動画】Z世代が行う将来への備えとは


1997~2012年に生まれたZ世代は、従来の「リタイア」やその後もらえる年金を、自身の金融計画に入れていない。代わりに、柔軟な働き方、フリーランス、手軽な投資、リアルタイムでの資金管理といった手段を通じて、自らの道を模索している。

専門家によると、親世代と異なる現在の経済状況こそが、若年層を年金制度から遠ざけている主因となっている。

イギリス唯一のアクチュアリー(保険数理人)専門資格を認定する職能団体、アクチュアリー会(IFoA)によると、イギリスのZ世代の46%が、「自分が引退する頃には国家年金制度は存在していない」と考えている。

アメリカでも同様で、多くの若者が年金制度に対して不信感を抱いている。自分が年を取る頃には社会保障制度の資金は枯渇していると感じているのだ。

投資会社R.W. ロジェ&カンパニーの最高投資責任者であるスティーブン・ロジェは「Z世代が『年金から離れた』というよりも、そもそも民間セクターでは伝統的な確定給付型年金がほとんど姿を消している。現時点で年金を提供している企業は15%程度しか存在しない」と本誌に語った上で、「Z世代の多くは年金を拒んでいるわけではない。年金という選択肢自体が存在しない雇用市場にいるだけだ」と指摘した。

「若者がなぜ公衆電話を使わないのかと問うようなものだ。公衆電話というインフラ自体が、彼らが使う前に取り除かれてしまったのだから」

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