最新記事
認知症

かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム

2025年10月7日(火)16時32分
山田悠史(米国老年医学・内科専門医) 新里百合子( ライター)*DIAMOND Onlineからの転載

スマホを持つことが悪いわけではない!使い方が大事

――スマートフォンはいかがですか? デメリットの方が多いのでしょうか?

SNSの過度の利用がうつ病のリスクを高める可能性が指摘されている一方で、とある研究では、スマートフォンやパソコンなどのテクノロジーを利用する高齢者は非利用者に比べ、認知機能障害(軽度認知障害や認知症の診断、認知機能テストにおける低スコア)のリスクが平均42%低いことと関連することが明らかになりました。


他の研究結果とも統合して考えると、テクノロジー利用がもし脳にプラスに働くとすれば、それは情報検索や文章作成、コミュニケーションなどの「能動的な活動」が認知予備力(cognitive reserve)を高めている可能性が指摘できますね。いずれにせよ、「目的を持った適度なテクノロジー利用」がおそらくもっとも有益なのでしょう。

――体を動かすことを心がけて、肥満に気をつけるなどの生活習慣が、健康に影響を与え、認知症リスクの確率を上げ下げしていることがよく理解できました。

こうした持ち物は、日々の生活習慣を象徴する"選択の縮図"であるとも考えられます。脳の健康にとって大事なのは、決して特別な対策ではなく、こうした日々の小さな選択、生活習慣の積み重ねなんです。

私たちの体や脳は、日々の生活や環境、遺伝子など、数えきれないほどの要素が複雑に絡みあっています。そうしてリスクが積み重なることで「認知症になりやすくなる」、リスクを下げることで「認知症になりにくくなる」という、確率の上げ下げの世界を生きている、という意識を持っていただきたいと思います。

だからこそ、誤った情報に惑わされ貴重な時間や費用を無駄にするのではなく、科学的根拠に基づいて認知症のリスクを下げ、適切に対処することが大切なのではないでしょうか。

newsweekjp20251006210051.jpg山田悠史『認知症になる人 ならない人 全米トップ病院の医師が教える真実』(講談社)(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


※当記事は「DIAMOND online」からの転載記事です。元記事はこちら
newsweekjp20241210070726-0536f5d9a0b841fadc7a37a3ae2182051cf62ee9.jpg




ニューズウィーク日本版 中国EVと未来戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月14日号(10月7日発売)は「中国EVと未来戦争」特集。バッテリーやセンサーなどEV技術で今や世界をリードする中国が戦争でもアメリカに勝つ日

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

欧州企業の7─9月期利益、6四半期ぶり低水準の見通

ビジネス

AIによる労働者の置換に懐疑的=米ミネアポリス連銀

ビジネス

ECB総裁、ユーロの地位強化を提唱 「受動的な安全

ビジネス

米消費者、雇用懸念高まる 1年先インフレ期待悪化=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示す新たなグレーゾーン戦略
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレクションを受け取った男性、大困惑も「驚きの価値」が?
  • 4
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 5
    【クイズ】イタリアではない?...世界で最も「ニンニ…
  • 6
    「それって、死体?...」新婚旅行中の男性のビデオに…
  • 7
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 8
    監視カメラが捉えた隣人の「あり得ない行動」...子供…
  • 9
    プーチン側近のマッド・サイエンティストが「西側の…
  • 10
    筋肉が育つだけでは動けない...「爆発力」を支える「…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 7
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 8
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 9
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 10
    イエスとはいったい何者だったのか?...人類史を二分…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中