最新記事
趣味

一番お金のかかる「趣味」とは? この習慣を持ったら、そのことにしかお金を使わなくなる...

2025年10月5日(日)23時16分
和田秀樹(精神科医)*PRESIDENT Onlineからの転載

金を稼ぐのは悪くなく、金を使わない金持ちが悪い

そもそも資本主義というのは、政府が国民を信頼して私有財産を認めているから成り立つものです。

つまり、私有財産を認める代わりに国民のみなさんが自由にお金を使ってちゃんとこの国の経済を回してください、と。本来、お金を持っている人はそういう義務が生じているのに、それを果たしていないのが、いまの日本なのです。

だから私は「相続税100パーセント」にすべきだとずっと言っているし、企業の内部留保にもがっちり税金をかけたほうがいいと思っています。


財務省が発表した法人企業統計によると、2023年度の日本企業の内部留保は前年と比べて8.3パーセント増えて、600兆9857億円と過去最高を更新しました。2011年度からの12年で実に2倍以上に増えています。

いま内部留保に2割の税金をかけるだけで100兆円以上になりますから、国家予算をまかなうこともできます。金持ちがケチでお金を使わないなら、やっぱり強制的に取るしかないと思います。

別にフランス革命みたいに、貴族や金持ちをギロチンにかけたほうがいいとは思いません。

いまの日本は資本主義なんだから、金を稼ぐのは全然悪いことではない。金持ちが悪いのではなくて、金を使わない金持ちが悪いのです。金を持っているくせに従業員の給料を上げないようなケチな経営者は、本当に罪深いと私は思っています。

なぜなら、それは資本主義を潰す行為だからです。大袈裟でなく、金を貯めるということは実は犯罪行為、資本主義に対する敵対行為だと思います。将来のために貯めたいという気持ちはわかりますが、やっぱり限度額があると思います。

「お金を自分のもの」だと思うのは大間違い

もう一つ忘れてはいけないのは、いま自分に金があるというのは運がいいということです。

私にしても最初は教育産業で稼ぎ、最近はどちらかと言うと、高齢者向けの本を書いたり講演したりして、金を稼いでいます。似たような本は20年くらい前から書いていたのに、急に売れ出したりするわけだから、やっぱり金儲けは運次第だと思います。

80歳の壁』を出すまでは、医者に言われるままに食事制限なんかしないで、肉は食べたほうがいいとか好き勝手に生きていたほうがいいとか書いても、誰も見向きもしてくれなかった。お医者様は偉いと思い込んでいる人がたくさんいましたから。

でも、コロナ騒ぎで自粛生活を強いられた高齢者たちが、家に閉じこもっていると足腰が弱ったりボケたりしてきて、医者の言いなりになっているとロクなことがないなと気づく人がようやく増えてきた。それで運良く、私の本がベストセラーになったのだと思います。

逆に、教育産業は不滅だからこれで一生食っていけると思った時期があったのですが、学歴の価値がなくなってきたことや、私立の中高一貫校に通っていい塾に入れないと東大や医学部に入れないという変な「信仰」が流行り出したから、私が監修する通信教育の生徒数がどんどん減っている。

実績を上げれば生徒が増える、というセオリーも通じなくなっているわけです。

世の中は移ろうものです。私たち世代は会社勤めが当たり前でしたが、若い世代は途中から上手く金融ベンチャーに転職したり起業したりして大金持ちになっている人がいます。

その一方で、起業したものの失敗して、いま困窮している人もたくさんいると思います。

成功した人たちは、自分は頭がいいからだと思っているかもしれないけれど、私はやっぱり運だとしか思えない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

リトアニア首都の空港、気球飛来情報で一時閉鎖 計約

ビジネス

ビットコイン史上最高値更新、12万5000ドルを突

ワールド

ロ、ウクライナに無人機・ミサイル攻撃 ポーランド機

ワールド

トランプ氏のポートランド派兵一時差し止め、オレゴン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 2
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿すると「腎臓の検査を」のコメントが、一体なぜ?
  • 3
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 4
    一体なぜ? 大谷翔平は台湾ファンに「高校生」と呼ば…
  • 5
    筋肉が育つだけでは動けない...「爆発力」を支える「…
  • 6
    「美しい」けど「気まずい」...ウィリアム皇太子夫妻…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃の「オーラの違い」が話題…
  • 8
    イエスとはいったい何者だったのか?...人類史を二分…
  • 9
    墓場に現れる「青い火の玉」正体が遂に判明...「鬼火…
  • 10
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 8
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 9
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 10
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中