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顔と足を見れば「血液ドロドロか」一発でわかる、心筋梗塞と脳梗塞になりやすい人の見た目の特徴とは?【写真あり】

2025年9月1日(月)12時15分
東丸貴信(医師) 笹井恵里子(ノンフィクション作家、ジャーナリスト)*DIAMOND Onlineからの転載

40年で激変した日本人と動脈硬化の関係

2009年にCirculation Journal(日本循環器学会誌)で発表された報告では、日本人212人を対象に耳たぶのシワと動脈硬化の関係を調べています。ちなみに耳たぶのシワは英語では「earlobe crease」と呼ばれ、論文ではELCと表記されています。

報告によると、ELCがある人は頸動脈エコー(首の血管の状態を確認する検査)で動脈硬化が確認され、さらに血圧も高い傾向にあるのです。

その理由を医学的に見ると、おそらく動脈硬化によって末梢の血液循環が悪くなる、つまり耳の毛細血管にまで血流が行き届きにくくなり、耳たぶが縮んでくると考えられます。動脈硬化が進みやすい生活習慣を送る人は、内臓脂肪が蓄積された"おなかでっぷり"タイプが多いのですが、耳に関してはむしろ痩せてしまうということですね。


ELCの研究は、もともとは1973年に発表された研究が発端で、そこでは東洋人、ネイティブ・アメリカンでは当てはまらないとされていました。実際、当時の日本では食生活が質素でしたから、動脈硬化を起こすような人は珍しかったのです。

それが前述した2009年の研究では、日本人にもELCが多数見られるようになったのですから、食生活が豊かになった半面、脂質や糖分、塩分の取りすぎには気をつけなくてはなりませんね。

「まぶた」や「膝」「肘」に黄色いしこりがある人は...

次に、動脈硬化の要因となる悪玉コレステロールのサインを紹介しましょう。

「黄色腫(おうしょくしゅ・xanthomas)」と呼ばれる、黄色のしこりです。「まぶた」や「膝」「肘」などにできやすいとされ、最初は小さな斑点のようにして現れ、徐々に大きくなります。一見、脂肪細胞が蓄積される「脂肪腫」と似ていますが、まったくの別物。皮膚科医なら間違いなく鑑別できるでしょう。

黄色腫は、皮膚の下にプラークができたようなものです。プラークとは「こぶ」のこと。血管内では、「悪玉コレステロールが内皮細胞の下に入り込み、これが変化して粥腫(じゅくしゅ・脂の塊)になるとプラークができる」と述べました。同じことが皮膚の下で起きるのです。

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