老化物質AGEを減らす調理法は?...最新科学が解き明かす「老けない食べ方」とは

EATING FOR LONG LIFE

2024年12月5日(木)18時42分
井口景子(ジャーナリスト)

日本食

長寿の国である日本の伝統的な食事はやはり理想的 YUMEHANA/ISTOCK

もう1つは食べ物に含まれるAGEを口から取り込む「食事ルート」で、体内にたまったAGEの3分の1を占める。食材そのものに含まれるAGEは野菜よりも肉や魚介類、ベーコンやミートボールなどの加工品に多いが、「何を食べるかと同じくらい、どう調理するかが重要だ」と、山岸は指摘する。

AGEは糖とタンパク質が高温で加熱されるほど生成されやすいため、同じ食材でも「揚げる」「焼く」は「煮る」「蒸す」「ゆでる」よりはるかに大量のAGEを生み出す(鶏の唐揚げは蒸し鶏や水炊きよりAGE含有量が5~10倍多い)。


また、電子レンジを長時間使う調理はブドウ糖をタンパク質にくっつきやすい性質に変えるため、食材のAGE化を加速させるという。

揚げ物やステーキを食べないなんて無理と思うかもしれないが、0か100かで考える必要はない。焼き肉を食べる回数を半分に減らす、唐揚げの鶏肉はレモン汁か酢に15分ほど漬けてから揚げる(酸性の環境では糖とタンパク質の結合が妨げられる)、AGE生成抑制効果があるキノコやブロッコリースプラウト、セロリを一緒に食べる──。

「そうした日々の小さなひと手間が、20年後、30年後の健康を大きく左右する」と、山岸は言う。

「揚げ物よりも蒸し料理」「野菜やナッツ類が身体にいい」なんて当たり前? そうかもしれない。実際、老化と食事に関する研究が進むほど、地中海地域や日本のような長寿エリアで先人たちが続けてきた食習慣の正しさが再確認されることも多い。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

再送フーシ派がイスラエル攻撃、イエメンの親イラン武

ワールド

再送-UAEのアブダビで5人負傷、火災も発生 ミサ

ワールド

タイ新政権、来週発足へ アヌティン首相が表明 

ビジネス

中国の大手国有銀3行、25年の利益ほぼ横ばい 不動
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊張緩和の兆しか
  • 3
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?...「単なるホラー作品とは違う」「あの大作も顔負け」
  • 4
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 5
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 8
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRAN…
  • 9
    日本経済にとって、円高/円安はどちらが「お得」な…
  • 10
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 7
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 8
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中