最新記事
健康

「口臭の強さ」が都会生活に関連している可能性【最新研究】

Bad Breath May Be Linked to Urban Living

2024年11月17日(日)09時40分
ハッティ・ウィルモス
口臭を気にする女性

Olga by Shefer-shutterstock

<生物学者らによる国際チームが生活スタイルと口の中の微生物の関係について分析した結果について>

口の中の微生物はいかに食物を消化し、免疫システムが感染症と戦い、そして口臭に影響を与えているのか。

ネパールの63人の唾液の口腔微生物群(口腔内に生息する細菌、ウイルスなどの総称)の違いや喫煙、食生活などの要因から、生物学者らによる国際チームが生活様式との関連性について明らかにした。


 

ネパールのチェパン族(採集狩猟民)、ラジ族とラウテ族(近年まで狩猟採集をしており、現在は農業に従事)、タルー族とネワール族(300年以上農業に従事)、過去20年間にネパールからアメリカに移住したネパール人、そして比較のためにヨーロッパ系アメリカ人の口腔微生物群を調査した。

その結果、グループ間での口腔微生物群の違いは比較的小さいことが判明。腸内微生物は時間の経過とともに大きく変化する可能性があるが、口腔微生物は変わりにくいと研究者らは述べる。

しかし、採集狩猟民から農業従事者、そして都市生活者の間では、構成される口腔微生物に変化の勾配が見られる。つまり、口腔微生物には生活スタイルが役割を果たしていることを示す結果となったのだ。

都市部で暮らす人々のグループで大幅に増加していた菌株の1つにアトポビウム(Atopobium)があった。この細菌が多いと虫歯など歯の健康に悪影響を及ぼすことがわかっており、口臭の原因となる。

また、口腔微生物群の構成に影響を与えると思われる他の要因として、喫煙、食物繊維、摂取する炭水化物が挙げられる。

特に大麦とトウモロコシから炭水化物を摂取するグループと、主に米や小麦を摂取するグループの間で顕著な違いが見られた。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ステファニク下院議員、NY州知事選出馬を表明 トラ

ビジネス

米ミシガン大消費者信頼感、11月速報値は約3年半ぶ

ワールド

イラン大統領「平和望むが屈辱は受け入れず」、核・ミ

ワールド

米雇用統計、異例の2カ月連続公表見送り 10月分は
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 9
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 10
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中