最新記事

メンタルヘルス

「心配しても無意味」だけど、心配がやめられない人に最適のメソッド

2023年1月13日(金)10時54分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

第二に、ノートを見返すと次のように考えます。たった2日前に心配していた内容すら、ほとんど思い出せなくなっているな、と。

つまるところ、あなたは脳を心配の「洪水」状態にしたのです。そして、心配するための時間や、心配する行為そのものの無益さをますます実感します。

この方法は時間がかかるので、わざわざ実行したいという人はとても少ないです。面倒だと思うのはあなただけではありませんよ。

とにかく、この方法を参考にして、私はフラッシュカードを作成しました。このフラッシュカードには、「心配の遅延」にある本質を取り入れました。

「今はダメ!!」というひと言は、心配するという行為を禁止するのではありません。脳に対して、心配する時間を遅らせるよう要求するのです。先延ばしにして、満足感を得るタイミングをずらします。

心配したくなるのは、その行為が不安の解消に役立つと信じているからです。ですから、「心配するのを遅らせよう」と言われると、いずれは不安を解消できると理解します。繰り返しますが、この方法がさりげなく示しているのは次のような事実です。

「心配しても結果は変わらないし、心配し続けても、脳に『混乱』を与えるだけである」

「気に掛ける」と「心配する」の違い

「気に掛ける」と「心配する」は別物です。心配するという思考がグルグルと頭の中を駆け巡っても、何も生まれません。

一方で気に掛けるという思考には、スケジュール、解決策、行動計画といった具体的な目標が念頭にあります。たとえば、気に掛けることで次のような行動に移ることができます。

・事態が悪化したときに、その影響を最小化する、あるいはできれば回避するための計画を立てる。
・万が一の場合に備えて対策を講じる。
・スケジュール表を作成し、誰が動けるか、何をする必要があるかを考える。

「心配する」ではなく「気に掛ける」という考え方をしましょう。「何かについて気に掛けて」いれば、すぐにその後の行動(たとえば問題の解決方法)を思いつくことができます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国主席、APEC首脳会議で多国間貿易保護訴え 日

ビジネス

米国株式市場・序盤=ナスダック1.5%高、アップル

ビジネス

利下げでFRB信認揺らぐ恐れ、インフレリスク残存=

ビジネス

ECB、金利変更の選択肢残すべき リスクに対応=仏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中