最新記事

月5万円の年金生活で「若がえった」71歳 「今が一番幸せ」を実現した5つの秘訣

2022年10月16日(日)13時11分
紫苑(フリーランサー) *東洋経済オンラインからの転載
月5万円の年金で生活する紫苑さん

月5万円の年金で生活する紫苑さんは、やりくりするために、生活上でさまざまな創意工夫をしている。例えば新しい洋服が買えなかったとしても、帽子ひとつでオシャレ度はぐっとアップする(写真:林ひろし)


テレビを見ればあれもこれも値上げ値上げなうえ、以前取り沙汰された「老後資金2000万円問題」など、老後が不安になるニュースばかり。そんな中、年金わずか月5万円で暮らすひとりシニア紫苑さんの節約生活が話題を集めています。 紫苑さんはシングルマザー、2人の子どもたちが独立してから貯金をはたいて都内に築40年の小さな中古住宅を購入しました。フリーランスだったため、年金は国民年金月5万円。年金通知書をいくら眺めても年金が増えるわけではない、と知恵と工夫を総動員して、ゲーム感覚で節約生活を楽しむことに。 「今が一番幸せ」と言い切る紫苑さんの衣食住と考え方を紹介した新著『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』より一部抜粋・編集してご紹介します。

あまりの不安で夜眠れないこともあった

私が節約ブログを書きはじめたのはコロナ禍のなか、69歳のときです。お金について考えるのが苦手というか、この年になるまでお金とちゃんと向き合った経験はほとんどありませんでした。逃げていたのだと思います。

母子家庭で2人の子どもを育てていた上、フリーランスの仕事で収入は安定していません。そのためつねに漠然とした不安を持ちながら長い間暮らしてきたように思います。

一般的に子どもが育つまでには1000万円とも2000万円とも言われていた時代です。2人の子を育てあげるまでにはどのくらいかかるのか、それを考えるだけで気が遠くなります。老後資金「2000万円」にしても同じです。そんな数字を考えていたら意気消沈するばかり、前に進む気力もなくなります。

そんなことで、数字には目をつぶって生きてきた、というかそのようにしてやって行くしかなかったのです。あまりの不安で夜眠れないこともありましたが、息も絶え絶え、どうにかやっていました。

そこにコロナ。外に出ることさえ危ないという事態になりました。仕事もなくなり、どうしよう。改めて年金振り込み通知書を穴のあくほど見つめてみましたが、何度見ても金額が変わらないのが悲しい。さて、どうする? 人生で初めてお金に向き合う生活の始まりです。69歳。あまりに遅い目覚めでした。

reuters__20221014164134.png

洋服は捨てずにリメイクして自分好みに。生地を足してロング丈に(写真:林ひろし)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和

ワールド

ナジブ・マレーシア元首相、1MDB汚職事件で全25

ワールド

ロシア高官、和平案巡り米側と接触 協議継続へ=大統

ワールド

前大統領に懲役10年求刑、非常戒厳後の捜査妨害など
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 8
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中