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映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?...「単なるホラー作品とは違う」「あの大作も顔負け」

‘Exit 8’ Adapts The Video Game With Pragmatic Sincerity – Movie Review

2026年3月27日(金)15時05分
ザック・ウォイナー (ポップカルチャー記者)

主演の二宮和也が演じるのは、名無しの主人公「迷う男」だ。映画の冒頭シーンは、原作ゲーム同様に一人称視点で描かれるが、内容は新たに追加されたものとなっている。

舞台は満員の地下鉄車内。主人公は音楽を聴きながら、女性と泣いている赤ん坊を怒鳴りつける男性を無視している。やがて地下トンネルに入ると、恋人から電話がかかってきて、彼女が妊娠したことを告げられる。彼は父親になる――その瞬間から物語はループへと突入する。

この導入部の出来事が、その後トンネルの奥へ進んでいく主人公(そして観客)の理解に影響を与えていく。

映画はやがて通常のカメラワークに切り替わるが、長回しや巧妙に隠されたカットを多用し(『1917 命をかけた伝令(1917)』も顔負けだ)、ループの閉塞感や地下空間の構造を効果的に表現している。

トンネルの描写について言えば、最初の通路はゲーム版とほぼ同じだが、映画では新たにロッカーと証明写真機のある壁が追加されている。もっとも、証明写真機を使ったモンタージュのような演出はないが、それはそれで妥当な判断だろう。

本作には不穏な場面もいくつかあるが、全体としては強烈に怖いというわけではない。例外的に、ひとつ非常に印象的な「異変」のシーンはあるものの、それ以外は比較的控えめな演出になっている。

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