最新記事
ドキュメンタリー

なぜ自由を叫ぶ者が奴隷を飼った? アメリカの原罪と高貴な理想の衝突を描くドキュメンタリー

The Story of US

2025年12月27日(土)16時00分
カーロ・ベルサノ (本誌英語版エディター)

「レキシントン・コンコードの戦い」の250周年記念式典

「レキシントン・コンコードの戦い」の250周年記念式典(今年4月) SOPHIE PARK/GETTY IMAGES

人類初の大いなる実験

全12時間のシリーズは11月16日に初回放送を迎える。90年の『南北戦争』と同じように、6夜連続で毎回2時間ずつ放送されるが、PBSでは16日から全話のストリーミング配信も行う。かつてバーンズが生み出した「一気見」のスタイルを、現代の視聴習慣に合わせて更新した形だ。

制作する上で最も難しかったことの1つは「物語を生き生きと再現する」作業だったと、バーンズは言う。戦争当時はカメラが発明される半世紀前だったため、サミュエル・アダムズやパトリック・ヘンリーといった革命の英雄の姿も、戦場で命を落とした無数の若者の姿も、戦いの中で5人の息子を失ったコネティカット州の先住民モヒガン人の女性レベッカ・タナーのような無名の人々の姿も写真や映像には残っていない。


「戦争で彼女ほどの悲嘆を経験した人を、私は知らない」と、バーンズは言う。この作品ではタナーのような無名の人々を多く取り上げ、「下から見た物語」を描いている。

ショート動画やAI(人工知能)が作ったコンテンツがあふれる現代において、バーンズが歴史家へのインタビューや再現映像、静止画だけで観客の注意を引き続けること自体が驚異的だ。それはニューヨークのブルックリン橋を題材にした初監督作以来、彼が磨き上げてきた技でもある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ニコンが社長交代、大村CTOが昇格 徳成氏は会長に

ワールド

米FTC、アップルニュースの左派系記事優遇巡る疑惑

ワールド

欧州産業界、エネルギー価格引き下げ要求 EUに緊急

ワールド

北朝鮮、金正恩氏の娘が後継者となる方向 政策関与の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 7
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中