『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
The Challenge of “Last Samurai Standing”

──ロケハンにも苦労したのでは?
おっしゃるとおりで、川の横で炎を上げられるあの場所もようやく探し出して許可を取りました。これまで真面目に時代劇に取り組んできたことが功を奏し、普段は借りられないようなロケ地でも、思いをお伝えすることでご協力いただけたこともありました。
彩八(清原果耶)が襖(ふすま)を開けながら逃げ続ける場面を撮影したのは、豊臣秀吉が謁見した滋賀県の有名なお寺。一度は断られましたが、「どうしても本物の場所で撮りたい。本物を世界に見せたい」と訴えました。
日本にはそうした場所がたくさん残っていますが、ロケ地として借りられないのが現状です。でも情熱とリスペクトを持って話せば分かっていただける。そのためには撮影クルー全員が丁寧な気持ちで臨むことが必須です。
今回も、撮影中に何度も「貴重な場所だから大事に扱って」と僕から声を掛けることを徹底しました。本作が世界的にヒットすることで、ロケ地協力も進むようになればいいなと思います。
──階段落ちのシーンも見せ場の一つだ。
吹き替えを使わず、自分でできるのが僕の武器。正面から撮れるので、カットを割る必要がない。これで撮影の自由度が上がります。
本作はアップデートが一つのテーマなので、過去に「すごい」と言われた数々の作品にオマージュをささげています。階段落ちは、言うまでもなく『蒲田行進曲』。終盤のシーンは、黒澤映画へのオマージュです。
模倣ではなく「あの時代はそう撮ったが、今ならこう撮る」という自分たちのフィルターを通して、僕らがカッコイイと思うものを作り上げていきました。





