写真が問いかける、女性とは何か──アニー・リーボビッツ『WOMEN』が再び紡ぐ新たな肖像
Celebrating Women
自立して力強く人生を生き抜く女たちを撮り続けるアニー・リーボビッツ ANNIE LEIBOVITZ
<ジョン・レノン最期の姿を撮り、半世紀にわたり「人間の強さ」を写し続けてきた写真家アニー・リーボビッツ。その代表作『WOMEN』が25年を経て、新たな女性像とともに再生した。フェミニズム、時代の変化、そして女性たちの現在地──。本誌論説副編集長ラムゼン・シャモンが、リーボビッツの胸中に迫った>
▼目次
──なぜ今、あの『WOMEN』の続編を?
──あなたは2016年に、「今は高い地位にいる女性が増えたみたい」だと言っていた。今もそう思うか?
──「WOMEN」はこれで終わりじゃなく、現在進行形のプロジェクトだと言っていたが、これから25年後にはどうなっていると思う?
──1冊目の序文でソンタグはこう書いている。「世界には女性が写真の被写体になること自体が許されない地域がある」と。あれを読んで、すぐ頭に浮かんだのはアフガニスタンの女性たちのことだ。彼女たちの権利は今も日に日に後退している。そういう女性たちにどんなメッセージを伝えたい?
──「女性」という言葉をどう定義する?
──今までに撮ったなかで好きな写真は?
──リアーナの妊婦ヌードについては?
──半世紀に及ぶキャリアを振り返って、いま最高に誇れることは何?
──あなたの仕事を単語3つに要約すると?
──どんな人物として記憶されたい?
ジョン・レノンが射殺される数時間前、裸のジョンが胎児のポーズで妻ヨーコに抱き付く姿を撮った伝説の写真家アニー・リーボビッツ。もう76歳だが、今も強烈で時に挑発的な人物写真を撮り続けている──だけではない。1999年に同名の写真集で立ち上げた「WOMEN」プロジェクトをさらに深化させ、このたび2冊セットの新『WOMEN』を刊行した。
1冊目は四半世紀前のオリジナルの復刻版で、終生のパートナーだった思想家スーザン・ソンタグ(故人)の序文もそのまま再録されている。2冊目にはその後に撮り下ろした写真を収録し、フェミニズム運動の旗手グロリア・スタイネムの序文と作家チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの寄稿を付す。
91年に彼女が撮った女優デミ・ムーアの「ほぼ臨月ヌード」は世に名高いが、今回は新たに歌手リアーナのほぼ同様な写真を収録した。ほかにもミシェル・オバマからテイラー・スウィフトまでの著名人の写真が並ぶが、「WOMEN」プロジェクトの真の主役は無名の、しかし力強く生きる自立した女性たちだ。
ニューヨークのスタジオにいるリーボビッツに、本誌ラムゼン・シャモンがオンラインで話を聞いた。
──なぜ今、あの『WOMEN』の続編を?
元大統領夫人のヒラリー・クリントンが映画などの製作会社を持っていて、そこの人が私に接触してきて、「あなたとスーザン・ソンタグが手がけた『WOMEN』の25周年を記念して何かできないか」と言われた。ちょうど私もそんなことを考え始めていた時期だった。それでまあ、あの本をもう一度出せたらいいなと思った。もう絶版になっていたから。
それで、改めてあの本を眺めてみて思った。よくできているけれど、もう25年もたつんだなと。それで考えた。あれとセットになるような本を作ったら面白いかなって。まずは大判だったオリジナル本をもっとコンパクトなサイズにして、もちろん中身はそのままで。それから私が99年以降に撮った女性の写真を集めて2冊目を作ればいい。

それくらいなら簡単と、最初は思った。でも実際にはすごく、すごく大変な作業になった。だって今の女性が抱えている問題について考え始めたら、それをどうやって写真でカバーし、2冊目で何を語ればいいのか、よく分からなくなったから。今回は(スーザンがいないから)独りで編集しなきゃならなかったし。
それで、とにかく新たに10枚ほどの写真を撮った。そして2冊目の巻末に、これは最初の本とは違うという断り書きを入れた。
1冊目ではぎりぎりまで焦点を絞った。スーザンと一緒に何年もかけて準備し、いろんな生き方をしている女性たちに会い、撮らせてもらった。でも今度の本は基本的に、あれ以降に私が撮ってきた女性の写真を編集しただけ。
中には、何の説明も要らない強烈な写真もある。そういうのが私は好き。一方で、私自身が本気で憧れている人たちの写真もある。それでも大きな驚きがあった。巻末にまとめた登場人物の経歴を読んでいくと、私たち女性の現在地が見えてきた。最初の本の時代から、思えば遠くまで来たものだって。

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