最新記事
映画

歌手の伝記映画で「俳優に歌わせるな」...歌姫エイミー・ワインハウスの映画は「悲惨なレベルの駄作」に

I Hate Music Biopics!

2024年11月22日(金)14時57分
ジャック・ハミルトン
伝記映画でスター歌手を演じてきた俳優たち

アベラ(中央)に名シンガーの歌声を再現させるのは無謀 PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. IMAGES VIA PARAMOUNT PICTURES, FOCUS FEATURES, 20TH CENTURY FOX, AND UNITED ARTISTS RELEASINGーSLATE

<歌手を題材にするなら本人音源で口パクを。カラオケ映画は俳優が「歌える」ことを証明し、オスカーに近づくための「下心」にすぎない──(レビュー)>

イギリスの歌手エイミー・ワインハウスの伝記映画『Back to Black エイミーのすべて』は、ある問いに答えを出していない。それはカメラを回す前に解消すべき疑問、「なぜこの人物がそれほど重要なのか」だ。

『Back to Black エイミーのすべて』予告編

人気ミュージシャンの伝記映画なら、普通は簡単に答えが出る。ボブ・マーリーやホイットニー・ヒューストンの歌を聴けば、映画館で2時間彼らと一緒に過ごすのも悪くないと誰もが思うだろう。


実際ミュージシャンの伝記映画にがっかりするケースが多いのは、ヒット曲を詰め込むことに終始して人生や人柄を掘り下げないからだ。

そうした意味で『エイミーのすべて』はひどい。悲惨なレベルの駄作だ。

たわいのないロマンチックコメディーとアルコール・薬物依存にまつわるシリアスドラマを数分おきに行ったり来たりするので支離滅裂だし、悪意があるのかと疑いたくなるくらい彼女の創造性や芸術性には触れない。

ワインハウスを男に翻弄されるだけの女として描き、満たされない出産願望に無礼なほど焦点を当てる。人物造形は実に薄っぺらい。

とはいえ最大の欠陥は別にある。主演のマリサ・アベラは歌手としてはアマチュアの域を出ない。新人発掘番組『アメリカン・アイドル』には出場できても、中盤で脱落するだろう。

事件
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ウォーシュ氏のFRB資産圧縮論、利下げ志向と両立せ

ワールド

米特使、イスラエルでネタニヤフ首相と会談へ=イスラ

ワールド

シンガポール、宇宙機関を設立へ 世界的な投資急増に

ビジネス

英製造業PMI、1月は51.8に上昇 24年8月以
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 6
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 7
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 8
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 9
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中