最新記事

エンターテインメント

新型コロナ時代に殴り込み、短編動画サブスク「クイビ」って何だ!?

Selling Entertainment in Quick Bites

2020年4月17日(金)16時30分
ポール・ボンド

クイビは「クイックバイト(軽食)」の略だ ILLUSTRATION BY ALEX FINE

<映画界の重鎮らが挫折を乗り越えて再挑戦する、新たなストリーミングサービスの品質はハリウッド級>

今年2月のスーパーボウルで、カンザスシティー・チーフスがサンフランシスコ・フォーティーナイナーズに大逆転勝利した試合でのこと。テレビ中継では、銀行強盗一味の運転手がスマートフォンで「クイビ(Quibi)」に夢中になるあまり車を発進させず、強盗らが大慌てになるというコマーシャルが流れた。アメリカ中のお茶の間やスポーツバーからこんな声が聞こえてくるようだった。「クイビって何だ!?」

クイビは月額4.99ドルの動画サブスクリプションで、4月6日からサービスを開始する。ハリウッド並みの制作力が売りで、1本4〜10分間の番組が数十本提供される。クイビというのは「クイックバイト(軽食)」の略だ。

このプロジェクトは、スティーブン・スピルバーグらと共にドリームワークスSKGを設立したことで知られる映画プロデューサー、ジェフリー・カッツェンバーグのアイデアから生まれた。

クイビのCEOはネットオークション大手eベイの元CEOメグ・ホイットマン。同社はディズニーやソニー・ピクチャーズエンタテインメント、中国のアリババなど、巨大企業から10億ドルもの資金を調達した。

クイビのアイデア自体は新しいものではない。ドリームワークスは1999年、プロが制作した短い動画コンテンツの配信サイト、ポップドットコムを立ち上げた。投資家から5000万ドル以上を調達したが、パートナー企業との交渉決裂などからサービス開始前に頓挫した(スピルバーグらはこの時からクイックバイトの言葉を使っていた)。

2015年には、米大手携帯電話事業者のベライゾン・コミュニケーションズがミレニアル世代を対象に動画配信サイト、Go90(ゴーナインティ)を立ち上げたが、番組の質が悪くそっぽを向かれた。

新型コロナで好機到来?

先駆的な構想から20年。ネットの回線速度は圧倒的に速くなり、スマホはいつでもどこでも接続可能に。短い動画の需要と収益性の高さは、Youtubeが証明している。

1月に開催された世界最大級の家電IT見本市、CESでのプレゼンテーションで、カッツェンバーグは「エンターテインメントの革命」としてクイビを大々的に取り上げた。彼は、18~44歳の消費者が1日に外出先でコンテンツを視聴する時間は8年前の6分から80分に増加していると語った。「この新技術の力で短編映画を提供したらどうなるだろうかと思い始めた」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ロシア石油タンカーのキューバ入港許可へ=報道

ワールド

米はイラン現体制と和平協議に応じるべきでない、元皇

ワールド

イスラエル首相、レバノン南部で作戦拡大指示 ヒズボ

ワールド

米保守派最多得票はバンス氏、共和党次期大統領候補の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中