最新記事

海外ドラマ

ブログ世代のガールズライフ

早熟なティーンの共感を集める、私生活丸出しのリアリティードラマ『ヒルズ』とブログ形式でつづった『ゴシップガール』

2009年4月7日(火)16時36分
ラミン・セトゥデ(エンターテインメント担当)

赤裸々 実在の女の子たちのロサンゼルスでの生活を描写する『ヒルズ』
©2008 MTV NETWORKS. ALL RIGHTS RESERVED. MTV: MUSIC TELEVISION, THE HILLS AND ALL RELATED TITLES AND LOGOS ARE TRADEMARKS OF MTV NETWORKS, A DIVISION OF VIACOM INTERNATIONAL INC. TM, ®& COPYRIGHT ©2008 BY PARAMOUNT PICTURE

 波乱に満ちたギリシャ悲劇も『ヒルズ』に比べればかわいいものだ。

 ドラマの主人公は、高校卒業後、ファッションの勉強のためロサンゼルスにやって来たローレン・コンラッド。ファッション誌「ティーン・ヴォーグ」のインターンとして働く学生だ。

 シーズン1の最終回、ローレンはティーン・ヴォーグの編集長リーサから、夏の休暇中パリ支局で一緒に仕事をしないかと誘われる。夢のような話だが、ローレンは迷う。ボーイフレンドのジェーソン・ワーラーと、バカンスをビーチで過ごす約束があるから。

 キャリアか恋人か。なかなか決断がつかないローレン。パリ行きの時間が刻々と迫り、カメラは空港でイライラしながらローレンを待つリーサの姿を映し出す。視聴者が息を詰めて画面を見守るなか、ローレンはどちらを選ぶのか......。

 ついに画面は、ジェーソンに駆け寄るローレンの姿を映し出す。恋人を選んだ!

 やがて夏が終わり、ロサンゼルスに戻った編集長は、パリ行きのチャンスをみすみす棒に振ったローレンに尋ねる。休暇はどうだったの? ローレンは黙って首を振る。今にも泣きだしそうな顔。ジェーソンとはけんかばかりで、結局別れてしまった。

 どこがドラマチックなのかと、首をかしげたくなるかもしれない。だが『ヒルズ』は単なるドラマではない。実際の出来事をドラマ化した「リアリティードラマ」だ。脚本はなく、カメラはローレン・コンラッド(出演者は全員実名で登場する)を追い続ける。

 現実の話なのに、構成はちゃんとドラマ仕立て。心の葛藤(大半は恋の悩み)からクライマックス(たいていローレンが女友達とけんか)、エンディング(そしてローレンが謝って仲直り)へという筋立ては、巧みな編集のなせるわざだ。『サバイバー』などのゲームショー的なリアリティー番組とは、そこが違う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

IEA、過去最大の石油備蓄放出を提案 WSJ報道

ワールド

原油先物下落、IEAが過去最大の石油備蓄放出を提案

ビジネス

ペイペイ、米IPO価格は仮条件下限付近に 中東情勢

ビジネス

米シティ、第1四半期の投資銀行と市場収入は10%台
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 5
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 6
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 9
    身長や外見も審査され、軍隊並みの訓練を受ける...中…
  • 10
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中