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『24』シーズン7は崖っぷち?

7年目の超人気ドラマも時流の変化にはついていけず、テロと陰謀が渦巻くストーリーはマンネリの極みだ

2009年4月22日(水)17時03分
ジョシュア・オルストン(エンターテインメント担当)

時代遅れ テロ戦争が身近だったブッシュの時代にはバウアーの任務に手に汗握ったが

 2年前の今頃は、『24-TWENTY FOUR-』の新シーズンが始まるときに放映される4時間スペシャルが待ち通しくて仕方なかった。結局待ちきれずに、同僚にせがんでサンプルDVDを借りて夜も寝ずに見たものだ。

 だがシーズン7が始まる今年は、自分自身でサンプルDVDを手に入れたにもかかわらず、誰かに代わりに見てもらいたいくらいだ。 DVDはお楽しみというより、面倒な宿題に代わり、机でほこりをかぶっている。

 問題は『24』が変わったことではない。変わらないのが問題なのだ。1秒も見ないうちから筋がわかる。まず大規模なテロの予告があり、大統領の周辺で陰謀が渦巻き、登場人物が2人ばかり大事なことを口にする寸前に消される......。

 シーズン7には大きな変革が期待されていた。確かに一見変わったように見える。舞台がロサンゼルスからワシントンに移動。主人公ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)の雇い主は、架空のテロ対策ユニット(CTU)ではなくFBI(連邦捜査局)だ。

 余談になるがCTUのネットワークセキュリティー対策ときたら、しゃれにならないほど穴だらけ。サーバーに通じる魔法の扉があるとしか思えない。

 シーズン7は舞台を5000キロ東に移しただけで、内容はまるで代わり映えがしない。国民がテロ警戒レベルにはらはらしたブッシュ政権下ではこうした内容は現実味を持ち視聴者の心をつかんだが、今では時代遅れに見える。

『24』のトレードマークのデジタル時計は今も時を刻んでいるが、ジャック・バウアーには金時計を贈って引退してもらおう。

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