「投資不可能」から一転...外国人投資家が中国株に回帰する理由
ウー氏は、ディープシークが低コストで能力の高いAIモデルを披露したことで、中国の技術革新に関連する資産が再評価され、AIからバイオテック、ロボットまで幅広い銘柄の勢いが加速していると説明した。
ケンブリッジ・アソシエーツのシニア投資ディレクター、ベンジャミン・ロー氏は、23年には極めて限られた件数だった中国ファンドに関する顧客からの問い合わせが、今年これまでに30件前後もあったと明かす。
ロー氏は、アジア地域以外の運用担当者の多くは年内に中国と香港を訪れて投資機会を探ろうとしているが、彼らの一部がそうした動きをするのはコロナ禍以降で初めてだと述べた。
ズィーベン・アドバイザーズは中国株について「投資が可能だと確認された。本土市場への国際的な参入が加速しつつある」と記した。
もっとも中国が長年抱える問題は依然としてくすぶっている。8月の鉱工業生産や小売売上高などの指標は、実体経済がなお低調なことを物語る。
今年1─5月の中国に対する外国からの直接投資は前年同期比で13.2%落ち込み、7月には中国政府が投資減少の流れを変えるための対策を打ち出さざるを得なくなった。
脆弱な経済がその主な理由で、外国資金は「先発組」が入っているものの、それが長期的な資本流入にまではまだつながっていない。