最新記事
投資

都心だけが「正解」ではない──「注目すべき郊外エリア」での、再現性の高い不動産投資とは?

2025年9月12日(金)18時55分
佐嘉田 英樹(アテナ・パートナーズ株式会社代表取締役)

②1都3県の郊外エリアに「実需×利回り」の投資機会あり

駅近で賃貸需要が安定しているエリアで、適切な維持管理と家賃設定をしている物件で、表面利回り8%以上が投資基準の目安となるでしょう。

③表面利回りだけで安心せず、空室率・経費・返済のバランスを分析

空室の原因とその改善策、経費の内訳、家賃相場と入居者のニーズ分析など客観的なデータに基づいた追加の修繕投資計画やコスト削減、あるいは入居者募集活動も検討すべきです。そのうえで、成功する投資は「手元に残るお金」を見極めること。それには正確な数字と現実的な試算が不可欠です。

上記の視点をもとにすれば、都心ほどの華やかさはないかもしれませんが、着実に資産を築きたい初心者にとって、1都3県郊外の不動産投資は十分に再現性のある選択肢です。

昨今の都心部の収益物件は、地価上昇を前提とした短期的なキャピタル・ゲイン狙いの投資に突入し、不動産投資の初心者にとってはリスクが大きいと言わざるを得ません。安定的な家賃収入とキャッシュフローで着実に資産形成することが不動産投資の大原則であり、特に初心者にとっては堅実に長期保有のインカム・ゲインを追求すべきです。

客観的なデータに裏打ちされた分析と冷静な判断を積み重ね、基本に立ち返りながら一歩ずつ資産形成を進めていきましょう。


newsweekjp20250912060645.jpg

佐嘉田 英樹(さかた ひでき)
アテナ・パートナーズ株式会社 代表取締役

1991年に東京大学卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行、主に融資営業・マーケティング戦略企画に携わる。その後不動産・建設業界に身を転じ、建売分譲、賃貸アパート、介護福祉施設等の企画開発・売買などに従事し、2023年8月に独立。地主・不動産投資家・中小企業の不動産活用コンサルティングやプロジェクト・マネジメント、テナント企業の開業支援を行う。宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、2級建築士、FP2級など幅広い専門知識を駆使し、総合的な視点からクライアントの課題解決にあたる。


【免責事項】
・当サイトの記事や情報は、投資に関連する一般的な情報提供を目的としており、投資を推奨または勧誘する意図はございません。
・投資には信用リスク、価格変動リスク、為替変動リスク、カントリーリスクなどが存在します、商品を購入または投資する際には、金融機関で提供される「目論見書」や「契約締結前の交付書面」などを必ず確認し、自己責任で判断してください。
・当サイトに掲載された情報は参考情報に過ぎず、最終的な投資決定は各金融機関の提供情報を確認し、利用者自身の判断にお任せいたします。
・掲載記事や情報に基づいて生じた損害について、当メディア運営会社や執筆者は責任を負いません。

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、26年度の難民受け入れ上限7500人に

ワールド

米NY州が非常事態宣言、6500万ドルのフードバン

ワールド

ロシア、ウクライナのエネルギー施設に集中攻撃 全国

ビジネス

ECB、3会合連続で金利据え置き 今後の道筋示さず
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 9
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 10
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中