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中国経済

「デフレの罠」最短30分の「即時配送」で進む、中国ECの消耗戦

2025年7月29日(火)13時06分

競争の数例を挙げると、アリババは1時間以内に配達する朝食の料金をカバーするクーポンを配布し、美団はお茶を無料で提供、京東集団傘下のJDテイクアウェイは11元以上の注文で10元のクーポンを付与している。

アリババ、京東、美団はコメント要請に応じなかった。


 


有害な競争

中国当局は通常、健全で合理的な市場の発展を害すると判断した慣行に対し、継続的に強硬姿勢を採る。企業がそれに抗うのは珍しい。

国営の新華社通信は23日の社説で、即時配送は「無料の買い物」だとして、その悪影響を明確に指摘。「表面上はプラットフォーム企業が『価格戦争』で即時配送市場を争っている構図だが、その本質は特典を付けて『バブル市場』を生み出すことだ」とし、「率直に言って勝者はいない」と切り込んだ。

中国経済は今年上半期に5.3%の成長を遂げたが、小売売上高の伸びは5月の6.4%から6月には4.8%に減速しており、先行きが危ぶまれる。

またANZのエコノミストらの推計では、中国の消費者物価指数は今年0.1%、生産者物価指数は3%、それぞれ低下する見通しだ。予想通りなら、2009年以来初めて年間でデフレとなる。

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