「DeepSeekショック」から半年...AI投資と半導体株への熱視線
株価回復にばらつきも
WSTSはAI需要の高まりを受け、データセンター投資継続の恩恵を受けるメモリーやロジック製品の高成長が半導体市場をけん引するとしている。
国内の半導体チップメーカーでロジックに強みを持つ企業は限られるが、メモリーに強いキオクシアのほか、半導体製造装置など関連企業の業績押し上げへの期待につながっている。「米国を中心にAI投資が進む中で、半導体製造装置、テスター分野などの関連銘柄が買い戻されている」とオムディア・シニアディレクターの南川明氏は話す。
先のトランプ米大統領の中東歴訪時には、アラブ首長国連邦(UAE)と米国がUAEの首都アブダビに米国外で最大のAIキャンパスを建設する協定に署名したことが伝わった。UAEは今年からエヌビディアの最先端AI半導体を年間50万個輸入できる可能性があるとの報道もあった。
米半導体大手エヌビディアや、エヌビディアが設計する半導体の製造を手掛ける台湾積体電路製造(TSMC)などの業績が好調な点も、国内の関連銘柄の支えとなっている。
ただ、東京エレクトロンやディスコは、ディープシークショック後の戻りが鈍く、関連銘柄間で濃淡がみられる。岩井コスモ証券のアナリスト、斎藤和嘉氏は東エレクに関して「米国の対中規制の絡みで一番に影響を受けるのは製造装置の分野で、他の銘柄と比べてパフォーマンスが劣後しているのではないか」との見方を示している。