最新記事
関税

米中貿易停戦に早くも亀裂――ファーウェイの最先端AI半導体「アセンド」規制で合意は台無し

First Cracks Emerge in US-China Trade Truce

2025年5月21日(水)18時15分
ジョン・フェン
ファーウェイのAI半導体「Ascend」のロゴ

ファーウェイのAI半導体「Ascend」のロゴ(2023年、上海のAI展示会) Photo by Ying Tang/NurPhoto

<中国テック大手の半導体に対するアメリカの規制に対し、中国が強く抗議。両国の相違点は想定以上に大きかったようだ>

トランプ関税で火がついた米中貿易戦争はジュネーブで開かれた米中協議で一時休戦したが、中国は早くもアメリカが暫定合意に違反したと非難している。

米商務省は5月13日、中国製の人工知能(AI)半導体、特に中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が製造する半導体の使用を避けるよう米企業に警告した。中国商務省は19日、「差別的制限措置」だと反発した。

ドナルド・トランプ大統領が中国製品に145%の高関税を課した後に開催されたジュネーブの会談で、米中は90日間の相互関税一時緩和に合意。米中両国は相手国に対する関税率を大幅に引き下げた。両国の広範な貿易上の意見の相違を協議するためのメカニズムも設けられた。

だがAIの覇権争いを左右する先端半導体のような重要技術に関するアメリカの産業政策に対し、中国政府は強い言葉で反発している。これは書類上の合意が何であれ、米中間に存在する根深い経済安全保障上の懸念が簡単には解決されないことを示唆している。

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国が「米国のエネルギー」購入プロセス開始、トラン

ビジネス

独VW、第3四半期は赤字に転落 ポルシェ戦略見直し

ビジネス

独プーマ、来年末までに900人を追加削減へ 売上減

ビジネス

見通し実現の確度は高まっている、もう少しデータ見た
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨の夜の急展開に涙
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 6
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 7
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中