最新記事

雇用

ギネスが認めた「世界最高齢の総務部員」 勤続65年、90歳のエクセル達人が語るITの極意とは

2021年4月12日(月)18時00分
山田 清機(ノンフィクションライター) *PRESIDENT Onlineからの転載
「世界最高齢総務部員」としてギネス世界記録に認定された玉置泰子さん

「世界最高齢総務部員」としてギネス世界記録に認定された玉置泰子さん90歳。写真提供=サンコーインダストリー

玉置泰子さん90歳。大阪にある専門商社サンコーインダストリーで勤続65年、現社長が生れる前から勤務してきたベテランだ。通常業務でエクセルを駆使し、新入社員への社史説明では毎年パワポを作り変えてプレゼンする。新しいものを恐れずに学び、成長し続ける姿は社員に好影響を生んでいる。

ギネスが認定した「世界最高齢総務部員」

「世界最高齢総務部員」としてギネス世界記録に認定された女性がいると聞いて、大阪市西区にあるサンコーインダストリーを訪ねることにした。

サンコーは昭和21年創業の(当時の社名は三興鋲螺)ねじの専門商社である。資本金1億円、社員数432名、うち女性が183名(42.4%)を占めるというから、専門商社の中では女性比率が高い会社だ(専門商社の平均は30%。マイナビ調べ)。

サンコーのHPにある案内図に従って大阪メトロ四つ橋線の22号出口に向かうと、サンコーの看板が目に飛び込んでくる。いきなり、度肝を抜かれてしまった。

「頭のねじくらい 飛んでる方が おもしれぇ。」

いまは亡き内田裕也が、看板の中でこう叫んでいた。

サンコーインダストリーの看板

サンコーインダストリーの看板(筆者撮影)

肩書は、総務部長付の課長

22号出口から徒歩5分。一筋縄ではいかない会社なのだろうという予感を抱えてサンコーの本社に足を踏み入れると、妙に開放感のあるフロアで、社員たちが賑やかに仕事をしていた。案内を受けて総務部に向かうと、「世界最高齢総務部員」がパソコン画面を見つめていた。椅子の背もたれで隠れてしまうほど体が小さい。

玉置泰子、90歳。60歳でいったん定年となってサンコーHDに転籍し、HDからサンコーに出向する形で仕事を継続している。肩書は総務部長付の課長。仕事内容は経理事務とTQC(職務改善のサークル活動)の事務局の運営である。

雇用形態は1年ごとの契約だから、ご本人の言葉を借りれば、「現実的には嘱託みたいなもの」。言葉の明瞭さ、説明の的確さにたじたじとなる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪GDP、第2四半期は前年比+1.8%に加速 約2

ビジネス

午前の日経平均は反落、連休明けの米株安引き継ぐ 円

ワールド

スウェーデンのクラーナ、米IPOで最大12億700

ワールド

西側国家のパレスチナ国家承認、「2国家解決」に道=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 5
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 10
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中