最新記事

資産運用

つみたてNISAを活用する30代、40代が増えている

2020年9月15日(火)12時00分
前山 裕亮(ニッセイ基礎研究所)

2019年のNISA口座からの買付金額は、2018年の倍に Casper1774Studio-iStock

<口座数、買い付け額とも増えているのは、年金2000万円不足問題などを契機に老後資金の確保に関心が高まったからとみられる>

*この記事は、ニッセイ基礎研究所レポート(2020年9月8日付)からの転載です。

つみたてNISAの利用が広がる

2018年1月から始まったつみたてNISA(少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度)。つみたてNISA口座からの買付金額が、2年目の2019年は1年間で2,044億円と1年目の2018年の931億円から倍増した。このように、つみたてNISA口座からの買付が1年で大きく伸びた要因は2つある。

まず一つ目として、つみたてNISAが多くの人に活用されるようになったことが挙げられる。つみたてNISAの口座数は2018年末の104万口座から2019年末には189万口座にまで増加している。つみたてNISA口座からの買い付けが実際に行われた口座数も2018年の61万口座から2019年は110万口座に増加した[図表1:左]。

そして2つ目は、つみたてNISA口座の1口座当たりの買付額が増加したことが挙げられる。つみたてNISA口座から買付額(全体)を口座数で割った1口座あたりの平均買付額は、口座数が大きく増えたにも関わらず2018年9万円から2019年は10.8万円へと1.8万円増えた[図表1:右]。買付が実際に行われた口座に限ると、平均買付額は2018年の15.4万円から2019年は18.7万円へと3万円以上増加した。1年間の買付額が20万円超の口座数をみても、2018年の17万口座から2019年は35万口座と2倍に増加しており、より高額の買付をした人が多く、かつ増えたことがうかがえる[図表1:左]。

Nissei200914_1.jpg


30代、40代の活用が特に顕著

より詳しく年代別にみると、つみたてNISAは始まった当初から30代、40代の人を中心に活用されていることが知られていたが、2019年にその傾向がさらに強まったことが分かる[図表2]。

2019年に口座数、1口座あたりの買付額ともに30代と40代で大きく伸びた。買付が実際に行われた口座数(左)をみると、30代と40代の口座数は2018年でも他の年代に比べて大きかったが、2019年にそれぞれ10万口座以上増え、25万口座を超えた。また、1口座あたりの平均買付額(右)も2018年で30代と40代は17万円前後と全体平均の15.4万円を上回り、他の年代と比べて買付額が大きかった。それが2019年には更にそれぞれ4万円と全体の平均(3.3万円)以上に増え、30代、40代ともに1年間の1口座あたりの平均買付額が20万円を超えた。

Nissei200914_2.jpg


最後に

このように2019年につみたてNISAの活用が広がったのは、制度自体が2年目に入って周知されてきたことに加えて、やはり2019年6月の「年金2,000万円不足」問題によって老後の生活資金確保や資産運用に対する関心が高まったことが影響したと思われる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米テロ対策トップ辞任、イラン戦争支持できず 「切迫

ワールド

イラン外相「ホルムズ混乱は米・イスラエルの攻撃と不

ワールド

米経済、イラン情勢の打撃なし 海峡通航徐々に再開と

ワールド

EXCLUSIVE-イラン新最高指導者、米との緊張
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 10
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中