最新記事

経済活動再開

韓国、新型コロナウイルス規制緩和で出勤再開 フレックス制や検温など感染対策を導入

2020年4月20日(月)18時05分

新型コロナウイルスの感染防止に向けた規制が緩和された韓国では、企業がオフィス勤務を再開し、商業施設などににぎわいが戻った。ソウルで撮影(2020年 ロイター/Kim Hong-Ji)

新型コロナウイルスの感染防止に向けた規制が緩和された韓国では、企業がオフィス勤務を再開し、商業施設などににぎわいが戻った。

韓国は、新型コロナの感染拡大が鈍化し、政府は19日、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)措置を16日間延長する一方で、教会での行事やスポーツイベントに対する制限を一部緩和すると表明した。

政府の決定の背景には、日々の新規感染者数が20人程度かそれ以下で、その大半が海外からの入国者という状況が続いていることがある。

韓国疾病予防対策センター(KCDC)によると、19日に新たに確認された感染者は8人で、これまでの最多(909人)を記録した2月28日以降で初めて1桁にとどまった。20日時点の新規感染者は13人。死者数は累計236人。

SKイノベーションやネイバーなど企業の間では最近数週間に在宅勤務規制を緩和する動きが広がっている。ただし、フレックスタイム制を継続し、対面式の会議は制限している。

SKイノベーションによると、今週中に8割程度の社員がオフィス勤務に戻る予定。入り口で社員の検温を行い、オフィス内で一定距離を置いて勤務するようにする。

ネイバーは、半数弱に出勤を許可する。カフェテリアに温度検知装置などを設置したという。

この週末、公園や山、ゴルフコースには多くの人々が訪れ、商業施設やレストランは徐々に通常の状態に戻りつつある。

学校はまだ閉鎖されており、オンライン授業を実施している。

保健当局は、前週に総選挙の投票があり、来週は大型連休が始まることから、新たなクラスター(感染者集団)がいつ形成されてもおかしくないと警戒を呼び掛けている。

[ソウル ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス、なぜ再び陽性になる? 韓国で進む研究と新たな疑問
・イタリア、新型コロナウイルス死者増加が小幅加速 全土封鎖の成果いまだ出ず
・国連「アフリカ、新型コロナウイルスで30万人死亡・2900万人が極度貧困の恐れ」
・新型コロナウイルス、モノの表面にはどのくらい残り続ける?


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ブラックロック、AI投資で米長期国債に弱気 日本国

ビジネス

OECD、今年の主要国成長見通し上方修正 AI投資

ビジネス

ユーロ圏消費者物価、11月は前年比+2.2%加速 

ワールド

インドのロシア産石油輸入、減少は短期間にとどまる可
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カ…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 8
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 9
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中