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米国株式市場反発 新型コロナウイルスへのFRBの支援策を好感

2020年3月20日(金)07時22分

米国株式市場は反発。新型コロナウイルスによる経済への影響緩和に向け米連邦準備理事会(FRB)などが打ち出している一連の措置が材料視された。ニューヨーク証券取引所で撮影(2020年 ロイター/LUCAS JACKSON)

米国株式市場は反発。新型コロナウイルスによる経済への影響緩和に向け米連邦準備理事会(FRB)などが打ち出している一連の措置が材料視された。

主要3指数ではナスダック総合がアウトパフォームし、2.3%高で取引を終了。アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、フェイスブックが上昇を主導した。

株価はこの日上昇したものの、S&P総合500種がトランプ大統領就任後の上げをほぼ全て消失しており、株式相場は最近の下げを取り戻す状況には至っていない。

FRBはこの日、9カ国の中央銀行と新たに通貨スワップ協定を結んだと発表。ドル資金の市場への供給を拡充を目指す。FRBは緊急利下げやコマーシャルペーパー(CP)市場への流動性供給など、過去2週間で新型コロナ流行による混乱緩和に向けた一連の措置を講じている。

欧州中央銀行(ECB)も前日、域内の借り入れコスト押し下げに向け、7500億ユーロ(8200億ドル)の緊急債券買い入れプログラムを開始すると発表した。

米上院は18日、新型コロナ緊急対策法案を可決。トランプ大統領が署名し、成立した。トランプ政権と議会はさらに1兆ドルを超える規模の景気刺激策も検討しており、市場ではFRBによる支援だけでなく、政府による財政面での支援も注目されているとアナリストは指摘する。

しかし、ロイターの調査によると、一連の支援策にもかかわらず、米国が今年リセッション(景気後退)に陥る確率は中央値で80%とみられている。

この日は原油先物相場が一時35%上昇し、投資家心理が上向いた。

また、スレートストーン・ウェルスの首席投資ストラテジストのロバート・パブリク氏は「現時点で株のバリューを見極めることは難しく、アクティブ投資家は安値拾いの買いの好機と見なしている可能性がある」と述べた。

個別銘柄では自動車大手フォード・モーターが0.7%安。新型コロナの事業への影響を踏まえ、既存の信用枠から150億ドル超を引き出すと発表した。

朝方発表された14日終了週の新規失業保険申請件数は28万1000件と予想以上に増加し、2017年9月以来の高水準となった。新型コロナ感染拡大で企業によるレイオフ・解雇が増加していることが示唆された。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.64対1の比率で上回った。ナスダックでも3.21対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は170億8000万株。直近20営業日の平均は150億株。

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