米国株式市場、ダウ約3000ドル安 FRB緊急利下げ受け景気後退懸念拡大
米国株式市場は大幅反落。1日としては1987年来以来の大幅な下げを記録した。ニューヨーク証券取引所で撮影(2020年 ロイター/LUCAS JACKSON)
米国株式市場は大幅反落。1日としては1987年以来の大幅な下げを記録した。米連邦準備理事会(FRB)が前日実施した緊急利下げを受け、新型コロナウイルス感染拡大によって深刻な景気後退が引き起こされる可能性があるとの懸念が強まった。
ダウ工業株30種も約12%安となり、2018年12月以来の安値を付けた。
FRBは15日、政策金利をゼロ付近に引き下げ、債券買い入れを再開するとしたほか、危機時の対応手段の活用に踏み切った。ただ、この緊急対応が新型コロナの急速な感染拡大および感染拡大による世界経済や企業業績への悪影響を巡る新たな警鐘になった。[nL4N2B80HG]
トランプ大統領が新型コロナの感染拡大防止に向けた指針を強化し、10人以上の集会や不要不急の旅行、レストランやバーでの飲食を避けるよう促したことを受け、株価は終盤にかけて一段と下落した。大統領は米経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性があるとの見方も示した。[nL4N2B95PQ]
チャールズ・シュワブのチーフ・グローバル投資ストラテジスト、ジェフリー・クライントップ氏は「新型コロナの影響がおよぶ範囲が明らかになる時期を示唆するものは何もない」と述べた。
この日は取引開始直後にS&P500が7%超下落。サーキットブレーカーが発動され、主要3指数の売買が15分間中断された。
業種別ではS&P主要11セクターのうち不動産は13.9%安で、過去最大の下落率を記録した。