最新記事

事件

ゴーン裁判、レバノンで継続の可能性も 日本側と40日以内の合意が必要

2020年1月24日(金)12時03分

保釈中に不正に日本を出国したゴーン被告について、逃亡先のレバノンと日本の当局は日本に身柄を引き渡すか、レバノンで裁判を開くかについて約40日以内に決定する必要があることが明らかになった。ベイルートで14日撮影(2020年 ロイター/Mohamed Azakir)

保釈中に不正に日本を出国した日産自動車<7201.T>前会長のカルロス・ゴーン被告について、逃亡先のレバノンと日本の当局は日本に身柄を引き渡すか、レバノンで裁判を開くかについて約40日以内に決定する必要がある。司法筋とゴーン氏に近い関係筋が23日、明らかにした。

日本とレバノンは犯罪人引き渡し協定を結んでおらず、レバノンは通常、自国民の身柄を他国に引き渡すことはしない。ゴーン被告の弁護団は、被告が国籍を持ち、深いつながりがあるレバノンで裁判を受け、潔白を証明することを望んでいる。

関係筋によると、日本の当局は最近、正式な引き渡し要請のためには、どのような資料を提出する必要があるのか、明確にするようレバノン側に求めた。

司法筋は「レバノン側は回答し、私たちはきょう、これを日本側に送った」と述べた。

関係筋によると、この両国のやりとりは重要性が高い。ゴーン被告の裁判をどこで、どのように行うかについては、両国が40日以内に合意を結ぶという国際刑事警察機構(ICPO)規則上の規定が適用されるためだ。

ゴーン氏に近い関係筋は、日本側はレバノンに正式にゴーン被告の引き渡しを要請するか、被告の捜査資料をレバノンに送り、同国での裁判手続きに合意するかのどちらかを行う必要に迫られていると指摘した。

レバノン検察当局は今月、ICPOによる逮捕手配書を受け、ゴーン被告の事情聴取を実施し、渡航禁止令を出した。

日本の検察当局はこれまで、国内で裁判を開くことを引き続き求めていると明らかにしている。

[ベイルート ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200128issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月28日号(1月21日発売)は「CIAが読み解くイラン危機」特集。危機の根源は米ソの冷戦構造と米主導のクーデター。衝突を運命づけられた両国と中東の未来は? 元CIA工作員が歴史と戦略から読み解きます。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナに大規模夜間攻撃、19人死亡・66人負傷

ワールド

ウクライナに大規模夜間攻撃、19人死亡・66人負傷

ワールド

中国、日本産水産物を事実上輸入停止か 高市首相発言

ワールド

訂正-ジャワ島最高峰のスメル山で大規模噴火、警戒度
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 5
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中