最新記事

テクノロジー

フェイスブックの怖すぎる顔認識技術

無数の写真の中から特定の人物を見つける顔認識ソフト「ディープフェイス」

2014年3月31日(月)12時35分
ウィル・オリマス

新分野 今はタブー視されている顔認識技術が一般化する日は近い? iStockphoto

 フェイスブックが、イスラエルの顔認識ソフトウエア開発会社フェイス・ドットコムを買収したのは約2年前のこと。フェイスブックに投稿された写真に誰が写っているかを機械的に読み取り、その情報を商売のネタにするに違いないと、すぐに大きな非難を浴びた。

 そのせいか、その後同社がこのテクノロジーに言及することはほとんどなかった。だが、着々と研究は進めていたらしい。

 フェイスブックは自社のページに3月半ば、高度な顔認識ソフト「ディープフェイス」に関する研究論文を掲載した。執筆したのはフェイス・ドットコムの共同創業者とフェイスブックの人工知能チームの研究者2人、テルアビブ大学の教授だ。

 それによると、ディープフェイスは3Dモデリング技術と人工神経回路網を駆使して、無数の写真の中から特定の人物が写った写真を見つける。角度や表情が違っても問題なく、その精度は97・25%。平均的な人の認識力とほぼ同じだ。

技術の導入が目的ではない?

 だが、フェイスブックはこれが純粋な研究であることを強調している。「学術研究であり、フェイスブックは現在この論文で述べられている技術を使用していない」と、広報担当のリディア・チャンは語る。

 フェイスブックが警戒するのも理解できる。多くの人は自分の写真をSNSに投稿したり、ファイルをクラウドに保存することに抵抗を感じなくなってきたが、顔認識技術は今も一種タブー視されている。

 グーグルは昨年、眼鏡型携帯端末「グーグルグラス」に顔認識機能を搭載することはないし、同機能を使ったアプリも認めないと発表した。だが顔認識技術の研究はやめていない。この技術は広告から犯罪捜査まで、幅広い応用可能性があるからだ。

 フェイスブックもグーグルも、顔認識機能をひそかに自社のサービスに導入することはないだろう。だが、いつか人々が顔認識に抵抗を感じなくなったとき、他社に後れを取るのは避けたい。だから今から競争の先頭に立とうと必死になっているのだ。

[2014年4月 1日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ウェイモ、年内にロンドンで自動運転タクシー開業目指

ワールド

トランプ氏、イランに核交渉要求 「次の攻撃は甚大」

ワールド

ECBの政策「良好な位置」、当面金利維持へ=シュナ

ワールド

トランプ米大統領、企業に新生児向け投資口座への拠出
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大胆な犯行の一部始終を捉えた「衝撃映像」が話題に
  • 4
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 7
    人民解放軍を弱体化させてでも...習近平が軍幹部を立…
  • 8
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 9
    またTACOった...トランプのグリーンランド武力併合案…
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 10
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中