最新記事

直接投資

中国から東南アジアへ進むマネーシフト

2014年3月25日(火)12時15分
ソフィー・ソン

 中国の対外投資は2000年には世界で第32位だったが、中国政府が対外投資拡大を図る「走出去」戦略を打ち出した01年以降、急速に増加している。11年には世界第6位となり、12年にはアメリカと日本に次いで第3位(878億ドル)となった。

 香港の対外投資は単独で世界第4位にランクインしており、香港と中国本土を合わせると12年の対外投資は1680億ドルと、日本を抜きアメリカに続く2位になる。

 投資の大半は東南アジア諸国に対する投資だ。外国企業と同様、中国企業にとっても東南アジアの若くて安い労働力は魅力を増しており、中国からASEANへの投資は今後数年増加が続きそうだ。

 ASEAN5以外の東南アジアの国々でも中国からの投資は急拡大している。ラオスと中国を結ぶ総額70億ドルの高速鉄道プロジェクトは、費用の大部分を中国が負担することになっている。ミャンマー(ビルマ)への投資は89〜2012年度の累計が約420億ドルだが、140億ドル超が中国からだ。

「メイド・イン・チャイナ」があふれる時代は完全に過ぎ去ったらしい。

[2014年3月18日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム、所得税減税へ 消費刺激目指す=国営メディ

ビジネス

イタリア金融業界、3年間で110億ユーロの増税へ

ワールド

自民との政策協議は大きく前進、野党とは「一区切り」

ビジネス

通商政策の影響受けた海外の経済・物価巡る不確実性、
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 7
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中