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自動車中国車の星BYDが急減速
国は世界最大の自動車市場へと躍進したが、新興国産メーカーの走りはまだ不安定
大物がバックに ビル・ゲイツ(右端)とバフェット(右から2人目)も出席したBYDの新車発表会(2010年9月) Jason Lee-Reuters
中国は過去数年にわたり、自動車産業の中心的な存在であり続けてきた。
理由は簡単だ。中流消費者の増加と急速なインフラ整備に加え、安価な自動車の供給が増したことで、この国は世界最大の自動車市場へと成長を遂げたからだ。
今年の中国での新車販売台数は1800万台に上ると見られる。これはアメリカと欧州(ともに1400万台)を上回り、日本の3倍以上にもなる数字だ。
ばら色の未来は米大物投資家ウォーレン・バフェットをも魅了した。彼がCEOを務める投資会社バークシャー・ハサウェイは08年に比亜迪汽車(BYD)株の10%を取得している。
だが英エコノミスト誌によれば、BYDは問題を抱えているようだ。発表が予定されていたハイブリッド車のうち2つのモデルの開発が遅れている間に、ドル箱だった低価格の小型セダンF3が過当競争の中国であっという間に時代遅れになり、成長スピードがかげり始めたのだ。以下にエコノミスト誌の記事を引用しよう。
昨年の総売上高は前年比18%に達したが、同社が見込んでいた70〜80万台には及ばなかった。中国市場全体は30%以上の成長を遂げたが、BYDにとっては悪いニュースがまだ続きそうだ。
香港の証券会社CLSAのスコット・ラプリーズはBYDの販売台数が昨年の52万5000台から、今年は42万5000台に落ち込むと予測する。この国の輝かしい光の1つである中国自動車産業の巨人にとってはショッキングな下落幅だ。
一方で米自動車産業は今年、低価格車の登場と米経済が若干持ち直したおかげで成長が見込まれる。今年2月の新車販売台数は、大方の予想を上回る前年同月比27%増となった。アメリカでは、政府が「エコカー買い替え補助金」制度を実施した09年以来となる高水準だ。
今のところ今年の売上高でトップを走るのはGMとトヨタで、その後を日産がぴったりと追走している。GMと日産は業界トップ水準の割引を行い、トヨタは昨年のリコールショックから素早く立ち直りつつある。