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新興市場世界を悩ます商品価格高騰の意外な犯人
2010年3月3日(水)15時13分
世界経済の復活も本格的とはまだ言えないのに、1次産品が値上がりを続けているのはなぜか。食糧や燃料の価格は既に、07年の水準にまで回復している。
中国の需要が増え続けているからという説明だけでは不十分。それより、世界中でかつてないほど低金利になっていることのほうが重要だ。借り入れコストの低下で市場に資金があふれ、09年には500億ドル以上が商品市場に流れ込んだ。商品価格が高騰した03〜07年の年平均の3倍以上だ。
多くの新興市場ではインフレ率の高さが懸念されており、投機による価格高騰が続けば各国の中央銀行は金利を上げざるを得ない。そうすればインフレは抑制できるが、中国など新興市場の需要を減退させてしまうだろう。
今年も本格的な景気回復はなく、むしろ正常な状態に戻ることの難しさを思い知らされそうだ。
[2010年3月10日号掲載]
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